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ニュースリリース

TI、デジタルAVコミュニケーションの進化におけるトランスコーディング技術の重要性について表明

2006年11月07日

~異なる圧縮方式を高速変換する「トランスコーディング」技術こそが
次世代ビデオ市場の成長の鍵に~

米国発 報道用資料 抄訳
SCJPR-06-086 2006年11月7日

テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)は1日、今後のデジタルAVコミュニケーション市場において、トランスコーディング(動画データの解像度などを高速変換する技術)が最も重要な技術となるという見解を示しました。
携帯電話やポータブル・メディア・プレーヤー、車載エンターテインメント機器など広範囲に渡りビデオ機能が搭載されつつあります。今日の消費者は、自宅、移動中にかかわらず、ビデオ・コンテンツを楽しみたいと考えています。次世代デジタルAVコミュニケーション市場は、次の段階を迎えるにあたり、耐えず変化しつつある「マルチ・フォーマット」(複数の圧縮方式の意)のビデオ・コンテンツを、すべての機器で再生可能にするという課題に対処しなければなりません。電子機器メーカがこのような課題に立ち向かいつつ、デジタルAVコミュニケーション市場の絶え間ない進化を推進させる上で、TIは、トランスコーディングが極めて重要であるとの見解を示しています。本件に関する詳細は、http://www.ti.com/transcoding(英文)から参照できます。

トランスコーディングとは、ビデオ・コンテンツの内容を保持しつつ、ビデオ・フォーマット、ビットレートや解像度を高速変換することで、異なったビデオ再生機器でも視聴できるようにする技術です。米国の調査会社であるIDCが行った最新の調査では、トランスコーディングを、これまで互換性がなかったビデオ再生機器などでもデジタル・コンテンツを視聴するために不可欠の技術としています。今日、ある特定のビデオ・フォーマット(圧縮方式)のみに対応した変換(トランスコード)処理は実用化されていますが、「いろいろなビデオ機器上で、フォーマットを気にせずにさまざまなコンテンツを楽しみたい」という消費者のニーズには対応できていません。あらゆる機器でコンテンツを視聴できるようにするためには、コンテンツの圧縮方式を「トランスコード」(変換)する必要があり、従って「マルチ・フォーマット」のトランスコーディング技術はこうしたニーズに応える鍵となります。

TIのプリンシパル・フェローであるジーン・フランツ(Gene Frantz)は次のように述べています。「メーカやサービス・プロバイダはビデオ・エンターテインメントの爆発的な成長を実現しようとする上で、トランスコーディングという重要課題に直面します。消費者はエンターテインメントに貪欲であり、さまざまな圧縮方式を処理するトランスコーディング技術は、今後のビデオ機器の成功において不可欠です。デジタル信号処理技術は、さまざまな電子機器間のトランスコーディングを可能にする基盤づくりに重要な要素となるでしょう。TIはマルチ・フォーマットの先進的なビデオ・コーデックにおける実証済みの高い専門能力や、リアルタイム・トランスコーディングを実現できる唯一のDSPテクノロジー・プロバイダです。この実績を活用し、顧客の持つ幅広いメディア・ソリューションにトランスコーディング機能を付加する取り組みを続けます」

サービス・プロバイダや電子デバイスのメーカはいずれも、「コンテンツこそが王者である」という真実に直面しなければなりません。消費者はコンテンツを簡単に変換し、身の回りにある全てのビデオ機器で楽しみたいと考えています。トランスコーディングだけが、リアルタイムかつシームレスなコンテンツの変換を実現します。トランスコーディングは、ビデオ・コンテンツのビットレートや解像度、ビデオ・フォーマットを変換することで、スペックの異なるさまざまな機器でのコンテンツ再生を実現します。これは高解像度のHDコンテンツにおいても有効であり、HD規格で作られたテレビのコンテンツも、あらゆる解像度のさまざまなビデオ機器で送受信し、視聴できるようになります。

IDCのシニア・アナリストであるイダ・ローズ・ジルベスタ(Ida Rose Sylvester)氏は、11月に刊行された同社の報告書 "Transcoding: The Future of the Video Market Depends on It"(直訳:ビデオ市場の将来を握るトランスコーディング)で次のように述べています。「家庭、職場、モバイルなど各シーンにおいて電子機器が多様化したことにより、コンテンツ・プロバイダやネットワークサービス・プロバイダ、および民生機器メーカは、大量のデジタル・データをさまざまなフォーマットで配信するという課題に直面しています。トランスコーディングの採用は既に始まっており、ネットワーク・インフラストラクチャにとって不可欠の要素になりつつあります。トランスコーディングや、トランスコーディングによって実現するコンテンツ・デリバリーは消費者によって推進されていくでしょう。消費者はHD(高画質)のプログラムや、オンデマンド配信のプログラムなど、いつでもどこでも視聴できるようなサービスを、メディアの新旧を問わず、活用したいと望んでいます。トランスコーディングはコンテンツ・サービスの新形態を実現し、事実上あらゆる場所にコンテンツが存在するような状況を創出します」

IDCの調査報告書"Transcoding: The Future of the Video Market Depends on It"は、TIのホームページからダウンロードが可能です(http://www.ti.com/transcoding 英文)。またTIではIDCのモデレータと各界のビジョナリを迎えてのオンライン・パネル・ディスカッションの開催を予定しています。パネリストはトランスコーディングにおける課題やビジネス機会、トランスコーディングがデジタルAVコミュニケーション市場にどのような直接的なインパクトを与えるかなどについて意見を交換します。ウェブキャストによるオンライン・パネル・ディスカッションへの参加登録については、TIのホームページ(http://www.ti.com/transcoding 英文 )をご参照ください。

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