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日本TI、フィルタおよびHV sync信号の処理機能を集積した業界初のモニタ出力アンプ付トリプル・ビデオ・アンプを発表

2006年10月30日

日本TI | 日本TI、フィルタおよびHV sync信号の処理機能を集積した業界初のモニタ出力アンプ付トリプル・ビデオ・アンプを発表

機器設計の簡素化、ならびに基板実装面積とシステム・コストの
低減を実現する高集積度・高機能のビデオ・アンプ
  SCJPR-06-082 2006年10月30日
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日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、アナログRGB信号とデジタルTVのHV sync(水平垂直同期)信号をワンチップで処理できるフィルタを内蔵した業界初のビデオ・アンプ、『THS7327』を発表しました。『THS7327』はプロジェクタ、業務用および放送向けビデオ、コンピュータ・ディスプレイ、デジタルTV向けの従来のアンプ・ソリューションと比較して基板実装面積を最高80%低減します。さらに、より高い性能のほか、I2Cインターフェイス経由で各チャネルの全機能を独立してプログラムが可能で高い柔軟性を提供します。本件に関する詳細は http://www.ti.com/sc06174(英文)から参照できます。

『THS7327』は3個のアナログ・ビデオ・チャネルおよびHV sync信号用の2個のデジタル・チャネルを内蔵しており、システム設計の大幅な簡素化および部品点数の低減を提供します。3個のアナログ・チャネルはフィルタを通すユニティ・ゲイン・アンプと、原信号をそのまま出力するモニタ・アンプの2系統の出力を内蔵し、RGB、YPbPr、CVBSをはじめとするすべての標準的なビデオ・フォーマットを処理できます。また、HV syncに対しては外部端子による入力スレッショルドの調整が可能です。

『THS7327』は以下の各機能をI2Cインターフェイス経由で設定可能です。
  • 入力信号を切り替える2入力、1出力のマルチプレクサ(外部端子による切り替えも可能)
  • 複数のビデオ標準規格に対応する5次のアンチエイリアシング・フィルタ
  • 多様なビデオ信号とのインターフェイスに対応するため、DC、DC+レベルシフト、AC、ACシンクチップ・クランプなどの入力バイアス・モードを切り替え可能
  • ADC等への出力、モニタ出力を個別にディスエーブル可能
  • 上記設定が、チャネルごとに独立して設定可能

プログラマブル・フィルタおよび入力バイアス・モードは、以下の各ビデオ標準規格に対応するためのすべての主要なアナログ・ビデオ信号の要件を満たすと同時に、ディスクリートで回路設計した場合に比べ、約20個を超える外付け部品が不要になります。
  • 9MHzフィルタ:CVBS、S-Video、480i/576iを含むSDTVビデオ向け。D1端子
  • 16MHzフィルタ:480p/576p(プログレッシブ)およびVGA信号向け。D2端子
  • 35MHzフィルタ:HDTV 720p/1080iおよびSVGA信号向け。D3、D4端子
  • 75MHzフィルタ:HDTV 1080pおよびXGA/SXGA信号向け。D5端子
  • フィルタをバイパス:UXGA/QXGAのRGB信号向け。500MHzの帯域幅と1150V/us(ボルト/マイクロ秒)のスルーレート特性を実現

各アナログ・チャネルは上記のプログラマブル・フィルタを内蔵し、入力からビデオ・デコーダまたはビデオADC(アナログ-デジタル・コンバータ)へのユニティ・ゲイン・バッファ機能を提供します。またフィルタなしで原信号を通過させるモニタ経路は6dB(デシベル)ゲインの出力バッファおよびSAG補正機能、帯域幅500MHz、1300V/μsのスルーレート特性を提供します。『THS7327』はTIが特許を取得した「BiCom3」シリコン・ゲルマニウム・プロセスで製造されています。この製品は2.7V(ボルト)~5Vの単一電源で動作し、従来の製品で使用されていた負電源が不要となり消費電力が最高50%低減されます。

『THS7327』はデジタル・ビデオ・システム向けに最適化された『DaVinci™ 』プロセッサ、『TVP7000/1』トリプル8/10ビット・ビデオADC、DLP® テクノロジーをはじめとするTIのビデオ・アプリケーション向け高性能アナログおよびDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)の包括的な製品ポートフォリオを拡張する高性能製品です。TIはシリコン・チップ、ソフトウェア、デザイン・サポートを提供し、お客様の市場投入時間の削減に貢献します。TIの包括的なビデオおよび画像処理向け製品の詳細ならびに『Video and Imaging Solutions Guide』に関してはhttp://www.ti.com/video (英文)から参照できます。

『THS7327』の主な特長
項目 THS7327
内蔵チャネル数 アナログ3ch、 デジタル2ch
内蔵フィルタの-3dB周波数 (typ) 9、 16、 35、 75 MHz
フィルタの次数 5次 バターワース・ローパスフィルタ
バイパス時の帯域幅 (typ) 出力:500 MHz、モニタ:600MHz
スルーレート 出力:1300V/us, モニタ:1150V/us
ゲイン 出力:0 dB、 モニタ: 6 dB
入力バイアス・モード DC、DC + Level Shift、 AC-Bias、 AC-STC
出力結合 DC、AC
入力マルチプレクサ 2:1
微分ゲイン (NTSC) 出力:0.3 %、 モニタ:0.07%
微分位相 (NTSC) 出力:0.45°、 モニタ:0.07%
静止時電流(typ) 100 mA
静止時電流(ディスエーブル時、typ) 0.1 μA
電源電圧 2.7 V ~ 5.5V
出力電流(typ) ±100 mA
デバイス制御方式 I2C
動作温度範囲 -40℃~+85℃

価格と供給について
『THS7327』は現在出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。パッケージは鉛フリーでRoHS指令に適合する48ピンTQFPパッケージで、1,000個受注時の単価の参考価格は3.35ドルです。全機能内蔵の評価モジュールは199ドル(参考価格)で供給されます。

※すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。