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TIのUHF帯ICタグを、韓国のソンテック社が採用

2006年10月18日

次世代標準「EPC Gen 2」に対応、メタルマウントICタグの性能を向上し、家電全般の小売サプライチェーン実現に貢献
米国発 報道用資料 抄訳 SCJPR-06-078 2006年10月18日

テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)は11日、同社のUHF帯ICタグ用RFIDチップ『Gen 2シリコン』が、韓国ソンテック社(Sontec Co., Ltd.)に採用されたことを発表しました。ソンテック社は、RFIDコンポーネントおよびミドルウェアの開発と製造を行う韓国の代表的な企業です。同社はTIの『Gen 2シリコン』を使い、さまざまな形状のメタルマウントICタグ製品と対応するRFIDトランポンダ製品を開発しました。これによって家電や電子機器など、原材料に金属を多用した製品を、最新のICタグで管理できるようになりました。

TIではソンテック社への『Gen2シリコン』チップの一部納入を開始しました。納入予定は計1,000万個で、2007年第1四半期に完納の見込みです。
ソンテック社では、RFIDタグおよびトランスポンダ製品を、主にアジア地域の白物家電メーカおよび電子機器メーカに向けて販売する予定です。これらメーカで製造された家電製品等は、日本や米国など世界各国の小売市場に流通する予定です。

家電製品等へのUHF帯ICタグの使用する場合、発信した無線波が製品の原材料である金属に反射されたり、金属が放出する渦電流(うずでんりゅう)で微弱化されたりするという現象が生じます。ICタグを使用する流通現場においては、通常、約3~9メートル(10~30フィート)の読み取り範囲を必要としますが、これら金属による影響が読み取り範囲を狭めるため、普及に向けた課題となっていました。
ソンテック社のRFIDトランスポンダの新製品は、読み取り精度が高く、家電、電子機器、その他原材料に金属を多用した製品全般のサプライチェーン・マネジメントの最適化を促します。

ソンテック社のCEO(最高経営責任者)であるドン・ジン・リー氏は次のように述べています。「TIの『Gen 2』テクノロジーを採用した当社のICタグ製品は、UHF帯のEPC Gen 2標準ベースとしては、小売業向けに最初に実用化される製品になります。これまでは金属製の商品にUHF帯ICタグを適用することは困難でした。(今回の新製品で)白物家電や電気機器を流通させる上で、サプライチェーン上に個別の読み取り機器を追加したり、手作業ベースで情報を補完したりする必要はなくなります。いまや金属製品にも、通常のリテール・サプライ・トラッキング性能を適用することができるようになりました」
TIのRFIDシステム部門アセット・トラッキングディレクターであるミカエル・アラント(Mikael Ahlund)は次のように語っています。「通常のUHF帯トランスポンダでは、金属の介在により、読み取り精度が著しく落ちてしまいました。これはUHF帯を使用する無線信号が、金属の表面で非常に弱まるためです。ソンテック社のメタルマウント・パッケージング技術は、UHF帯 Gen 2タグを、特に金属製品に貼付するようなケースにおいて、非常に良い読み取り範囲内で、かつ有効に操作できるようにしました。TIは今回の採用を、単に業界標準に準拠するのみにとどまらず、サプライチェーンにおいて、より妥協のない数多くのソリューションを提供できるようになる第1歩と考えています」

TIは今年8月からEPCglobal 準拠のUHF帯ICタグ用RFIDチップ『Gen2シリコン』の量産出荷を開始しました。同製品はウェハ、ストラップおよびフォームファクタの三種の形状で提供されています。またアナログプロセスとしては最先端の130nm(ナノメートル)プロセスで製造され、RF(無線)信号のやりとりに要する電流をより効率的に変換するためのショットキー・ダイオードを組み込んでいます。この結果、低消費電力ながらチップの読み込み精度が高めることに成功しました。

なおTIのGen2チップおよびストラップについては、同社のウェブサイト(http://www.tij.co.jp/rfid 日本語)もあわせてご参照ください。

TIのRFIDについて
TIはRFIDトランスポンダおよびリーダ・システムを統合的に供給する世界最大のメーカです。大手半導体メーカとしての優れた製造能力とパッケージング技術を備えたTIは、RFID分野のビジョナリー・リーダであると共に、RFIDアプリケーションの新規市場開拓および国際標準化においても主導的な役割を果たしています。TIのRFIDに関する詳細は、同社のホームページ(www.ti-rfid.com 英語)、または日本TIのホームページ(http://www.tij.co.jp/rfid 日本語)をご参照ください。

ソンテック社について
ソンテック社(Sontec Co., Ltd.)は、RFIDコンポーネントとミドルウェアの開発と製造に携わる韓国のハイテク企業です。同社は、業界や、また物流に強く依存する環境向けに、RFIDベースのソリューションを採用した各種コンポーネントを数多く開発しています。これらのコンポーネントには、EPC RFIDメタルタグ(銅、銀、電子インクなどの技術、アンテナ、車両用ステッカー、入退出管理/IDカード、ポータブル・リーダ、ミドルウェアなどがあります。詳しくは同社のウェブサイト(www.sontek.co.kr)をご参照ください。

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