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日本TI、DaVinciテクノロジーの新製品『TMS320DM350』を発表

2006年10月15日

~最大7,500万画素の処理性能で、コンパクトデジカメも一眼レフ並みに~
  SCJPR-06-075 2006年10月5日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、同社の開発プラットフォーム「DaVinci™ テクノロジー」に基づくデジタル・メディア・プロセッサの新製品『TMS320DM350』(以下DM350)を発表しました。対象アプリケーションは、コンパクト・デジタルカメラ、ウェブカメラ、デジタルフォトフレームなどの普及価格帯のデジタル機器です。最大75メガピクセル(7,500万画素)の高い処理性能を備えつつ、ソフトウェア・パイプライン処理により機器の仕様や差別化に柔軟に対応します。
なお同プロセッサには、ポスト・プロセッシング・アルゴリズムなど各種ソフトウェアと開発フレームワークが同時に提供されます。また機器設計にすぐに応用できるリファレンス・デザイン(各種開発ツール、ソフトウェア、テクニカルサポート)も今後供給を予定しています。
新製品『DM350』とリファレンス・デザインを活用することで、デジタルカメラのメーカ各社は、デジタルカメラの開発期間を短縮し、開発プロセスを効率化させつつ、自社製品の差別化をはかることができます。
本件に関する詳細は、http://www.ti.com/dscinfo (英文)から参照できます。

『DM350』がもたらす最大75メガピクセル/秒の高い処理性能により、普及価格帯のコンパクト機でも一眼レフ級の高性能が実現します。たとえば、600万画素レベルの写真を続けて撮影する際、これまで数秒を要していた撮影間のタイムラグを0.8秒にまで短縮し、同時にノイズ除去、赤目現象の軽減といった各種の画像処理も適用できます。また連写モードでは、600万画素レベルの写真を1秒につき最大12枚撮影できます。

DaVinciテクノロジーが、最終製品のさらなる差別化を実現
TIとサードパーティー各社は、DaVinciテクノロジーのプラットフォームから、デジタルカメラの多機能化を支援する数々のソフトウェア(高感度ISO3200対応ノイズフィルタ、手ブレ防止機能、自動赤目除去、撮影した画像をカメラ単独で編集する機能、パノラマ撮影、動画からの印刷機能など)を提供しています。従ってカメラメーカは、これらのソフトウェアを活用しつつ、自社製品の競争力を高める、より特長的な機能(ホワイトバランス機能やオートフォーカスのアルゴリズムなど)に注力できます。

リファレンス・デザインにより、開発や量産を迅速に
『DM350』のリファレンス・デザインは、量産設計にすぐに活用できるハードウェアおよびソフトウェア一式で構成されます。具体的には、『DM350』デジタル・メディア・プロセッサ(ARM® コアと画像処理のアクセラレータを搭載)、LCD、画像処理用サブシステム、電源管理用サブシステム、DDR1/DDR2/MDDRメモリのサポート、8/16ビットNANDフラッシュ、各種ペリフェラル群が含まれます。本リファレンス・デザインは、機器開発コストの抑制を念頭に最適化されており、モジュラー構成で設計されているため、仕様に応じた設計の組み合わせ・組み換えが自由に行えます。したがってカメラメーカは、同一の基本構成(プラットフォーム)から複数の設計バリエーションを展開することも可能です。

リファレンス・ソフトウェアとしては、強化されたポスト・プロセッシング・アルゴリズム群(手振れ防止やノイズ除去など)、統合ペリフェラル・ドライバ群、チップ・サポート・ライブラリ、ビデオ/オーディオ・コーデック、画像チューニング・ツール、カメラに特有の各種アルゴリズム、API、GUI開発ツール、および開発向けフレームワークが含まれています。さらに各種開発ツール一式、システム・ソフトウェア、テクニカルサポート、TIの超低消費電力MCUである『MSP430』、各種オーディオ・コーデック、電源管理用コンポーネントなども提供されます。
リファレンス・デザインでは、各種ソフトウェアやツールが、量産出荷可能なレベルまで検証済みです。このためカメラメーカは開発やデバッグといったプロセスを最小限にとどめて、製品の差別化に注力できます。

TIはDaVinciテクノロジーを基にした製品をデジタルカメラ市場向けに提供することで、カメラメーカが独自のIP(設計資産)を、ソフトウェアの追加・拡張という形でカスタム化し、自社の製品ラインに対して横断的に適用できるようにします。

供給について
『DM350』は本日よりサンプル出荷を開始します。量産出荷は2007年第1四半期の予定です。リファレンス・デザインは2006年第4四半期にサンプル出荷を開始予定です。量産出荷は2007年第1四半期の予定です。

DaVinciテクノロジーは、デジタルAVコミュニケーションに向けたオープン・プラットフォームです。デジタルカメラ、ポータブル・オーディオ・プレーヤ、IPテレビ電話、監視カメラ、IP STB(セットトップボックス)、車載インフォテインメントなど、幅広いデジタルAVコミュニケーション関連製品の開発を強力に支援します。
DaVinciテクノロジーについての詳細は、日本TIのホームページhttp://www.tij.co.jp/davinciをご参照ください。

※DaVinciはTexas Instruments社の商標です。その他全ての商標および登録商標は、それぞれの所有者に帰属します。