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日本TI、DaVinciテクノロジー・ソフトウェア開発キット『DVSDK』を発表

2006年09月21日

日本TI | 日本TI、DaVinciテクノロジー・ソフトウェア開発キット『DVSDK』を発表

~ソフトウェア・モジュールの自動生成やシステム状態の視覚化など
画期的な新機能でメーカの開発作業を支援~
  SCJPR-06-070 2006年9月21日
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、デジタルAVコミュニケーション機器に向けたDaVinci™ テクノロジー・ソフトウェア開発キット、『DVSDK』 (Digital Video Software Development Kit)を発表しました。今回発表した『DVSDK』は、IPセット・トップ・ボックス、ビデオ・セキュリティ・システム、その他の高度なデジタルAVコミュニケーション機器の開発や最適化作業に向けたものです。このキットにより、TIのDaVinciテクノロジーを使った設計や開発がより容易になります。
同キットは、TIのソフトウェア開発ツールである『eXpressDSP™ Configuration Kit』、eXpressDSP Data Visualization Technologyをベースとした『TMS320DM644x SoC Analyzer』、およびMontaVista社のLinux BSP(ボード・サポート・パッケージ)で構成されており、デジタルAVコミュニケーション機器が要する複雑なシステム設計でも、各種ソフトウェアを迅速かつ効率的に統合し、さらにニーズに応じて調整できます。これにより、顧客アプリケーションの開発サイクルを、従来の数カ月単位から数週間単位にまで短縮できます。
本件に関する詳細は、www.ti.com/dvsdkpr(英文)から参照できます。

ソフトウェア・モジュールを自動的に統合する『eXpressDSP™ Configuration Kit』
DaVinciテクノロジー・ソフトウェア開発キット『DVSDK』の一部として提供されるツール『eXpressDSP™ Configuration Kit』には、システム開発を円滑化するための各種の新機能が加えられています。
同ツールはシステム開発者が各種ソフトウェア・モジュールを自動的に統合し、システム上で実行可能な1つのアウトプットとして組み合わせることを可能にします。このため手作業による統合に何ヶ月もかける必要がなくなり、ビデオ・アプリケーションごとに必要となる各種コーデックのカスタム・バンドルを容易に作成できるようになります。さらにコードの再利用が簡単にできるようになり、システム開発者は製品にさらなる機能や付加価値を提供するというエンジニアリング作業に、より多くの時間を費やすことができるようになります。
『eXpressDSP™ Configuration Kit』により開発者は、TIのビデオ、画像、音声、オーディオ・コーデック、またはTIのxDMビデオ・アルゴリズム規格に準拠したサード・パーティー提供のカスタム・コーデック、TIのコーデック・エンジン・フレームワーク、DSP/BIOS™ リアルタイム・カーネル、そしてDSP/BIOS Linkプロセッサ間通信技術等の各コンポーネントを容易に統合できます。

システム全体の視認性を提供する『DM644x SoC Analyzer』
DaVinciテクノロジー・ソフトウェア開発キット『DVSDK』に含まれる『DM644x SoC Analyzer』は、単独でシステム全体を視覚化できる業界初のツールであり、これまでは特定が難しかった設計上のボトルネックも、開発者自身で容易に特定できるようになります。具体的には、システムの相互作用、負荷の分散状況、データ・スループットにおけるボトルネック、およびその他の各種状況をキャプチャしてグラフィックに表示し、問題点の分析と特定を支援します。また、『TMS320DM644x』プロセッサはDSPとARMの両方のコア上でタスクを実行するため、このツールを使用する事でデータを同一の時間軸上でキャプチャし、表示できます。これによって開発者は、最適化作業においてコアごとに手作業でデータを収集、比較するという面倒な作業を行うことなく、アプリケーションの完全なシステム表示を実現する事が可能となります。

MontaVista社のLinux BSPを提供
DaVinciテクノロジー・ソフトウェア開発キット『DVSDK』には、『TMS320DM644x』製品向けに最適化されたLinux ボード・サポート・パッケージ(BSP)が含まれています。DaVinci製品を搭載するデジタルAVコミュニケーション機器向けに最適化され、さらにMontaVista社によるシステム検証が完了したLinux BSPを提供することにより、システム開発やテストに要する期間を短縮化し、開発者を支援します。このプラットフォームを使用する開発者は、DaVinci製品向けMontaVista ZoneへのアクセスとDevRocket統合開発環境(IDE)のライセンスが提供されるため、Linuxベースの膨大なリソースへアクセスすることができます。

価格と供給について
DaVinciテクノロジー・ソフトウェア開発キット『DVSDK』(製品型名:TMDSSDK6446-L)は本日より受注開始します。参考価格は882,000円(税込)で、日本TIまたは販売特約店を通じて提供します。
新規のDaVinciテクノロジーを使用する設計者を対象とした『DVSDK :TMDSSDK6446-3L』には、『DVSDK』のすべてのツールと機能に加えてエミュレータと統合開発環境『Code Composer Studio™ 』バージョン3.2が含まれています。参考価格は1,386,000円(税込)です。
なお『DVSDK』には、『DM644x』プロセッサを搭載した評価用モジュールが必要となります。評価用モジュールの選択肢としては、日本TIから提供するデジタルビデオ評価用モジュール(DVEVM)またはTIのサード・パーティー各社から提供するプラットフォームがあります。

DaVinciテクノロジーに関する詳細は、www.tij.co.jp/davinciから参照できます。