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ニュースリリース

日本TI、IP電話システム向けチップ・ソリューションを発表

2006年09月13日

~企業ユーザ向けにセキュリティ機能と音声品質を強化~
  SCJPR-06-069 2006年9月13日
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、ギガビット・イーサネット対応IP電話向け最新ソリューション、『TNETV1051』を発表しました。システム・オン・チップ(SoC)とIP電話ソフトウェアを組み合わせ、企業ユーザ向けに特にセキュリティ機能と音声品質を強化しました。本ソリューションは機器の仕様に柔軟に対応できるDSPプラットフォーム上で設計されています。機器メーカは本ソリューションの採用により、IP電話製品の開発コストの削減や市場投入時間の短縮が可能となります。

新製品『TNETV1051』の特長
日本TIの『TNETV1051』ソリューションは、150MHz(メガヘルツ)動作DSP、300MHz動作RISCプロセッサ、および高品質な音声通話やセキュリティ機能等を追加できる各種ソフトウェア・アプリケーションで構成されます。企業向けIP電話市場の拡大に伴い、関連する電話・通信機器にも、より堅牢な機能を求める傾向が高まっています。こうした市場に向けてTIの柔軟性に富むDSPプラットフォームを活用することにより、IP電話上でこれまで不可能だった各種アプリケーションが実現します。例えば『TNETV1051』ソリューションでは、1つのIP電話上で、4ウェイのワイドバンド電話会議機能をはじめ、複数のワイドバンド・コーデック(音声用の帯域幅を拡大することで、音声の明瞭さや自然さを大幅に高める機能)をサポートします。これによって、室内でじかに相手と話すような自然な会話のやりとりをIP電話上でも体験できるようになります。

スタティック・パケット・フィルタの搭載によりDoS攻撃を回避
『TNETV1051』はVoIPプラットフォームへの統合を重視し、FXSおよびT.38ファックス・リレーのような一連のゲートウェイ的な機能を備えることで、IP電話間、あるいはアナログ電話からIP電話へのファックス送受信を実現します。
メーカとエンドユーザの両方にとってセキュリティの重要性が高まろうとしている中、日本TIは独自のスタティック・パケット・フィルタ(SPF)をIP電話に搭載しました。これは、最も一般的な形態であるレイヤ3/レイヤ4サービス拒否攻撃(= DoS攻撃)の一部を防止することで、IP通信向けの既存のセキュリティ機能を高めるものです。
IPネットワーク経由でデータ送信を行う企業が増える中、脆弱性ポイントをカバーする堅牢なセキュリティ・ソリューションを展開することは不可欠です。DoS攻撃はデータ送信を妨害し、音声サービスを無効化し、IPネットワークの機能を大きく損ないます。
『TNETV1051』に搭載されたSPFは、このような攻撃に対応し、ネットワークのセキュリティが確保されているという安心感と保証を企業ユーザに提供します。内蔵の3ポート・ギガビット・イーサネットスイッチは、接続されたPCへの帯域幅を制限することなくオフィスでの1ポートのイーサネット接続を使い続けることを可能にします。これによりさらに簡便にネットワーク展開を行えるようになりました。

『PIQUA™ 』によりサービス品質をプロアクティブに管理
『TNETV1051』は、TI独自のIP電話向け品質管理システム『PIQUA™ 』(読み:ピクア)技術を活用し、サービス品質(QoS)に関する新たな情報を使ってユーザ体験を能動的に改善し、接続ごとに何が起こっているかを把握します。TIのDSP技術と組み込みソフトウェアをベースとした『PIQUA』は、音声、データ、ビデオなどIPベースのサービスの品質を監視・改善するよう設計された、包括的な品質管理エレメントによるリアルタイムの分散型システムを実現します。
なおこのほか、『TNETV1051』には新しく強化されたTIのアコースティック・エコー・キャンセラが搭載され、不要なエコーや干渉を排除しつつも、音声品質水準をさらに引き上げています。

『TNETV1051』のソフトウェア・アーキテクチャは、各メーカのVoIPプラットフォームに共通した設計となっているため、さまざまなIP電話製品に容易に搭載できます。さらに、TIのVoIP用ソフトウェア『Telogy Software™ (テロジー・ソフトウェア)』を用いたアプリケーションのカスタマイズによって、多様なビジネス・ニーズに合わせることも可能です。こうした優れた設計柔軟性によって、メーカは開発投資を無駄にすることなく、市場ニーズに合わせた製品を短期間で開発できます。

なお『TNETV1051』のプラットフォームは最新のPoE(パワー・オーバー・イーサネット)規格に対応します。PoEはイーサネット・ケーブルから直接電力を供給するため、電源ケーブルは不要になります。またTIの電源管理ICである『TPS23750』を使用すると、電源デバイスとPWMコントローラを組み合わせてIP電話機器に安全かつ効率的に電力を供給できます。

供給について
『TNETV1051』は現在サンプル出荷中で、2007年前半の量産開始を予定しています。なおソフトウェア開発プラットフォームも既に提供しています。『TNETV1051』とTIのVoIP製品ポートフォリオに関する詳細はwww.ti.com/voip(英文)から参照できます。

※Telogy Software、PIQUAはTexas Instruments社の商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。