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日本TI、通信インフラ、スーパーコンピューティング等の大規模システムにおいて、高密度の電源および効率的なパワー性能を実現し、柔軟なスタック構成が可能な電源用コントローラを発表

2006年09月11日

日本TI | 日本TI、通信インフラ、スーパーコンピューティング等の大規模システムにおいて、高密度の電源および効率的なパワー性能を実現し、柔軟なスタック構成が可能な電源用コントローラを発表

電源システムの規模を最大出力電流320Aまで拡大できる
高い柔軟性のPWMコントローラ
  SCJPR-06-068 2006年9月11日
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、柔軟性を持ち、サーバーおよび通信機器などの大規模システム電源向けに、高い負荷対応能力および高効率を備え、スタック構成(複数デバイスの並列動作)による電源システムを実現するパワー・マネジメントIC(集積回路)、『TPS40140』を発表しました。本件に関する詳細は http://www.ti.com/tps40140-pr(英文)から参照できます。

『TPS40140』は同期整流方式、PWM(パルス幅変調)のコントローラであり、デバイス単独で2出力のコントローラまたは、2チャネル内蔵のマルチ・フェーズ・コントローラの機能を提供します。設計者は『TPS40140』の機能ならびにスタック構成によって、最高で320A(アンペア)の出力電流ならびに16フェーズをサポートする高密度の電源を実現できます。さらに、現行の電源用デバイスと比較して、より高い電力変換効率を提供できます。

TIのバイスプレジデントでシステム・パワー・マネジメント製品を担当するステフェン・アンダーソン(Stephen Anderson)は次のように述べています。「高性能のデータコミュニケーションや3G(第三世代)携帯電話基地局の電源設計者は、より高い電源密度、高効率の動作など、数々の困難な要求条件に直面しています。スタック構成が可能な『TPS40140』新型コントローラは、これらの要件を満たし、冗長性のあるソリューションをお客様に提供します」

『TPS40140』は高密度の通信、サーバーおよびワイヤレス・システムをはじめとするアプリケーションにおいて、負荷への対応能力を大幅に増加すると同時に、電源システムの設計を簡素化します。TIの1GHzのDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)などを搭載する3G携帯電話基地局においても、『TPS40140』はより高いエネルギー伝送性能ならびに低雑音、低消費電力特性を提供します。サーバー機器においては、『TPS40140』により高効率の変換動作で、全機能内蔵のマルチフェーズ電源システムを容易に開発できるようになります。

高い柔軟性、高性能の電源システムを提供
柔軟なスタック構成が可能な『TPS40140』は、入力および出力の両方のコンデンサに流れるリップル電流を大幅に低減し、ソリューション全体の小型化が可能な自動フェーズ・バランス機能を備えた電源を実現できます。また設計者は、マルチフェーズまたはシングルフェーズの出力回路構成において複数の電源出力レールの同期およびフェーズ・バランスを提供し、均質なEMI(電磁干渉)周波数スペクトラムと同時に、より高いレベルの電源密度ならびに柔軟性を実現できます。

『TPS40140』は4.5V~15Vの電圧で動作し、また2V~40Vと広い入力電圧レール範囲をサポートし、高性能の変換動作を実現できます。『TPS40140』は0.7V、±0.5%と高精度の電圧リファレンスおよび高精度の差動負荷センス・アンプを内蔵し、0.1%と優れた入力安定度および負荷安定度を提供します。

『TPS40140』はプリバイアス・スタートアップ機能、プログラマブルのUVLO(電圧下降ロックアウト)、損失の低いDCRまたは抵抗による電流センス、複数の独立したパワー・グッド・インジケータ、各チャネル別個のソフト・スタート制御、同期入力、プログラマブルの過電流保護および過熱保護機能をはじめ、電源に要求される監視・制御機能をすべて搭載しています。さらに『TPS40140』は「シーケンシャル」、「レシオメトリック」、「同時」の3種類の主要なシーケンス方式をサポートしています。

価格と供給について
『TPS40140』は現在、量産出荷中で、TI および販売特約店から供給されます。パッケージは6 mm(ミリメートル)角の36ピンQFNパッケージです。1,000個受注時の単価の参考価格は3.30ドルです。『TPS40140』用のソフトウェア開発ツールはTIの『Proシリーズ』の新型ツールとして、2006年の第4四半期から供給されます。EVM(評価モジュール)、アプリケーション・ノート、リファレンス・デザイン、セレクション・ガイドはhttp://www.ti.com/tps40140-pr から参照できます。

お客様のデザインを支援するTIの電源関連製品
TI はお客様の電源デザイン要件を満たす製品、および包括的な技術サポートの提供に注力しています。TI は自社のアナログおよびデジタル・システムに関する専門知識と製造能力を活用し、携帯電話やPDAから通信、工業用およびコンピュータまで広範囲のアプリケーションにおいて使用されるポータブル、商用電源動作、絶縁型、非絶縁型などあらゆる形式の電源設計に対応する高性能の個別製品および集積化されたパワー・マネジメント・ソリューションを提供しています。

『TPS40140』の主な特長
項目 TPS40140
回路方式 降圧型
入力電圧(最小値) 4.5 V
入力電圧(最大値) 15 V
安定化出力数 2
スイッチ周波数(最大値) 1,000 kHz
出力電圧1(最小値) 0.7 V
出力電圧1(最大値) 5.8 V
出力電流1(最大値) 25 A
出力電圧2(最小値) 0.7 V
出力電圧2(最大値) 5.8 V
出力電流2(最大値) 25 A

  • 4.5V ~ 15Vの入力電圧で動作する電源コントローラ
    • 5Vレギュレータを内蔵
  • 出力電圧: 0.7V ~ 5.8 V
  • 1MHz周波数で15Vの入力電圧を最小0.7Vの出力電圧に変換
  • 1フェーズにおけるプログラマブルのスイッチ周波数: 1,000 kHz(最大値)
  • 2出力または2フェーズのインターリーブ動作、スタック構成(複数デバイスの並列動作)によって最高16フェーズ動作が可能
  • 両出力プリバイアス状態のスタートアップ動作をサポート
  • 内部トリミングによって、0.5%の高精度を提供する0.7Vリファレンス
  • シャットダウン電流: 10μA
  • 強制的な電流シェア機能(特許申請中)付きの電流モード制御
  • 電力制御ステージの動作範囲: 1V~40V
  • マスタ・チャネルは+5V、スレーブ・チャネルは+12Vなど、異なる入力電圧レールからの電力の共有が可能
  • 真のリモート・センス動作を提供する差動アンプを内蔵
  • プログラマブルの入力UVLO機能
  • インダクタDCRまたは抵抗による電流センス機能
  • 『TPS40120』と共に使用した場合、6ビットのデジタル制御出力を実現
  • 36ピンQFNパッケージ
  • アプリケーション: グラフィック・カード、インターネット・サーバ、ネットワーク機器、通信機器、直流電源分配システムなど


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