2006年07月03日
日本TI | 日本TI、高速CANトランシーバ新製品を発表 ESD耐圧は業界初の8kVに
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車載向け電子制御装置(ECU)の接続は、従来のワイヤハーネスからCAN(Controller Area Network)を始めとする車載LANへと移行しつつあります。いっぽうECUの組立工程では、人体との接触から生じる静電気放電がLAN機能を担うIC(集積回路)を破壊する「静電破壊」現象が発生し、ECUの不良化の一因となっていました。 日本TIのCANトランシーバ新製品『HVD1050Q』は、静電気放電(ESD)耐圧を従来比2倍の最大±8kVに引き上げ、静電破壊により耐えうる仕様を実現しました。これによって、組立工程における不良率を低減すると共に、ECU全体の信頼性の向上にも寄与します。なお同製品は、自動車向け規格「AEC-Q100」 注3 に準拠し、かつ高速CANの国際規格「ISO 11898-2」で定められた物理層の要件も十分に満たしています。 『HVD1050Q』の動作モードには、ノーマル・モードとサイレント・オペレーティング・モードの2つがあります。通常のバス通信向けのノーマル・モードでは、最大1Mbps(メガビット/秒)のシグナル・レートで、バスへの差動送信機能とCANコントローラへの差動受信機能を行います。オプション機能となる「リッスン・オンリー」のサイレント・モードでは、送信機能を無効にしながらも受信機能をアクティブに保ち、全てのバス通信をローカルのプロトコル・コントローラに転送できます。 『HVD1050Q』の主な特長
価格と供給について 『HVD1050Q』は現在量産出荷中で、日本TIおよびその販売代理店から供給されます。パッケージは8ピンSOICパッケージです。 車載向け市場におけるTI TIは車載向け市場に注力しており、デジタルおよびアナログ製品の様々な組み合わせにより、OEM各社やシステム・サプライヤー各社に対して、高品質で信頼性に富み、革新的でコスト効率の高い各種のソリューションを数多く提供しています。TIの車載向け製品は、パワートレーンからブレーキ、オーディオ、インフォテインメントにいたるまで幅広いシステム領域に広がっており、カー・エレクトロニクスの進展を後押ししています。 なおTIは世界各国の36ヶ所の事業拠点において、「ISO/TS16949:2002」 注4 認証を取得済みです。 その他TIの車載向け製品の詳細については、同社のホームページ(www.ti.com/automotive)をご参照ください。 |
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注1: CAN: (Controller Area Network)。車載LAN規格の業界標準。 | |||||
注2: HBM (Human Body Model):IC(集積回路)の静電気耐性試験の一つ。人間自身にたまった静電気がICと接触する際の静電破壊を擬似的に再現する試験によって、ICの強度を計測する。 | |||||
注3: AEC-Q100:米国の自動車業界がIC(集積回路)向けに仕様等を定めた業界標準規格。 | |||||
注4: ISO/ /TS16949:2002:通称「TS2」。自動車業界の品質管理システムの国際規格。 |
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