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日本TI、Li-Ionバッテリ動作のエレクトロニクス製品向け3MHz動作で800mA出力の降圧型DC/DCコンバータを発表

2006年06月12日

日本TI | 日本TI、Li-Ionバッテリ動作のエレクトロニクス製品向け3MHz動作で800mA出力の降圧型DC/DCコンバータを発表

~ダイナミック・ボルテージ・スケーリングとバッテリ寿命の延長を実現、
超小型チップ・スケール・パッケージでI2Cインターフェイス搭載~
  SCJPR-06-046 2006年6月12日

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日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、TI独自の『SmartReflex™』パワー・マネジメント・テクノロジーを使用するプロセッシング・プラットフォームと連携して動作する機能を持つ高性能の電力変換用IC(集積回路)、『TPS62350』を発表しました。この製品は3G(第三世代)の携帯電話および、その他のポータブルのエレクトロニクス製品の動作寿命を延長し、超小型のチップ・スケール・パッケージ、3.4 Mbps(メガビット/秒)のI2C通信インターフェイス、超高速の過渡応答特性などの特長を提供します。本件に関する詳細は http://www.tij.co.jp/TPS62350 (日本語)から参照できます。

『TPS62350』は同期整流方式の降圧型DC/DCコンバータで、単一セルのLi-Ion(リチウム-イオン)バッテリを電源として2.7V(ボルト)~6Vの入力電圧範囲に渡って最高800 mA(ミリアンペア)の出力電流をサポートします。『TPS62350』の出力電圧は、内蔵されたI2C通信インターフェイス経由で0.75V~1.53Vの範囲で調整でき、携帯電話、PDA、デジタル・スチル・カメラなどに使用されるTIの先進のDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)、『SmartReflex』テクノロジーに対応する『OMAP3430』、およびその他のプロセッサ・コアの電源回路、ならびにインテルの『Xscale®』プロセッサを使用するハンドヘルド・コンピュータなどの電源回路を高い効率でサポートします。『TPS62350』は負荷電流が小さい場合にパワー・セーブ・モードで動作できます。また消費電流を1_A(マイクロアンペア)以下に低減できるシャットダウン・モードも備えています。

『TPS62350』のシリアル・インターフェイスはI2C標準規格のファースト、スタンダード、ハイスピードの各モードと互換性を持ち、最高3.4Mbpsのデータ伝送レートを実現できます。また『TPS62350』のダイナミック・ボルテージ・スケーリング機能によって、出力電圧を12.5mV(ミリボルト)ステップで調整できると共に、変換効率に最適化された高効率型PFMモード、過渡応答特性に最適化された高速応答型PFMモード、強制PWMモードの間で切れ目のない切替え機能を提供します。

『SmartReflex』テクノロジーとの互換性を持つ初のDC/DCコンバータ
『TPS62350』は、『SmartReflex』のパワー・テクノロジーおよびパフォーマンス・テクノロジーを搭載するスマートフォン(多機能携帯電話)製品に最適化されています。TIのディープ・サブミクロン・プロセス・ジオメトリを活用して製造される『SmartReflex』ソリューションは、チップ・レベルの漏れ電力を大幅に低減します。これらのテクノロジーは広範囲の知的機能および適応機能を備えたさまざまなハードウェアとソフトウェアを内蔵し、そのデバイスの動作状態、動作モード、製造プロセスおよび温度変化などに基づいて電圧、周波数、電力の動的な制御を行います。

『SmartReflex』テクノロジーは複数のプロセッサ・コア、ハードウェア・アクセラレータ、機能ブロック、周辺回路をはじめとする主要なシステム構成部品の消費電力および性能を調整します。さまざまなパワー・マネジメント・セルを収めたライブラリを使用することにより、ポータブル機器内部のパワー・ドメインごとにシステムの各部分を切り分けるきめ細かな方法も実現できるようになりました。さらに、『SmartReflex』の各テクノロジーは開放型のソフトウェア・フレームワークであることから、より低レベルのさまざまなハードウェア・テクノロジーを調整する知的機能ならびに、OSベースならびにサードパーティの供給するパワー・マネジメント・ソフトウェアとの互換性も実現します。『SmartReflex』に関する詳細は http://www.ti.com/smartreflex (英文)から参照できます。

最も小型なソリューションを提供する『TPS62350』
『TPS62350』はチップ・スケール・パッケージと3MHz(メガヘルツ)の固定スイッチ周波数などの特長を提供することから、ポータブル機器の設計において低価格で小型のインダクタおよびコンデンサを使用でき、基板実装面積を大幅に削減する全機能内蔵の電力変換ソリューションを実現できます。

『TPS62350』の主な特長
  • 3MHzのスイッチ動作で88%の高効率を実現
  • 出力電流: 800 mA(入力電圧 2.7V時)
  • 0優秀な負荷応答および入力応答特性
  • PWM(パルス幅変調)の直流電圧精度: 2%
  • ON時間: 35 ns(ナノ秒、最小値)
  • 静止時電流: 28 _A(マイクロアンペア、代表値)
  • 最高3.4 Mbpsの伝送レートを実現するI2C互換インターフェイス
  • 出力電圧はピン設定で選択可能

価格と供給について
『TPS62350』はサンプル出荷中で、TI および販売特約店から供給されます。量産出荷は2006年7月に予定されています。『TPS62350』は2.2 mm(ミリメートル)_1.4mmの12ピン チップ・スケール・パッケージおよび、3mm角の10ピン QFNパッケージで供給されます。1,000 個受注時の単価は2.05 ドルで、評価モジュールも同時に提供されます。TIのパワー・マネジメントIC製品に関しては、http://power.tij.co.jp(日本語) から参照できます。

TIのパワー・マネジメント製品に関する情報は、日本語インターネットでも発信しています。( http://power.tij.co.jp

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