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日本TIがポータブル機器向けWLANチップセットを発表

2006年05月31日

日本TI | 日本TIがポータブル機器向けWLANチップセットを発表

~低消費電力性能でバッテリ駆動に最適、同時に開発キットの最新版も投入~
  SCJPR-06-044 2006年5月31日
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、ポータブル機器向け『TNETW1351WLANチップセット』(IEEE 802.11g準拠)のサンプル出荷を開始したと発表しました。主にデジタルカメラ、ポータブル音楽プレーヤ、ポータブル・ビデオ・プレーヤなど、各種のコンシューマ向けバッテリ駆動アプリケーションのWLAN機能に向けた製品です。
なお同チップセットを使用した開発キット『CE WLAN DK 2.0』も同時に発表しました。
この開発キットは、動作検証済みのチップセットと各種ソフトウェア・ドライバ、リファレンス・デザインを一括供給するもので、メーカが最終製品にWLAN機能をより短期間で、かつ容易に組み込めるよう支援します。
さらに日本TIでは、パートナー・ネットワークを通じて各種の設計オプションも供給し、メーカの設計作業上の負担をより一層軽減します。

最新のWLANチップセット
今回発表した『TNETW1351WLANチップセット』は、競合ソリューションと比べてスループットを50パーセント向上させつつ、2倍の通信距離を実現しました。SDIOインタフェースの力を最大限引き出すことで、ホスト・リソースの消費を最小限に抑えながらも、ホスト・プロセッサへのスループットは20Mbpsを上回ります。また54Mbps OFDMでの受信感度は-75dBm以上です。ポータブル機器の場合、出力を調整して受信範囲を最大化することも、6 dBm から16dBmの間の可変出力によってバッテリの使用を最小限に抑えることも可能です。

同チップセットは以下の3つのチップにより構成されています。
  • 『TNETW1351』 90nm RF-CMOSプロセス技術によるシングルチップのメディア・アクセス・コントローラ(MAC)ベースバンド(BB)・プロセッサ/RF
  • 『TNETW3256』 パワーアンプ機能
  • 『5100』 WLANサブシステム向けのバッテリ電源管理機能
このWLANチップセットは優れた感度を実現し、バッテリの消費電力を最小限に抑えつつ、機器の小型化を図れるよう最適化されています

さらに、同チップセットを採用したWLANモジュールは、90nmの最先端RF-CMOSプロセスで製造され、ポータプル機器向けに小型化されています。11mm×11mm以下の基板に、WLANチップセット他、EPROM、水晶およびバンドパスフィルタ、その他関連部品(RBOM)が高集積されています。RBOM点数はわずか22個と、競合ソリューションと比較して三分の一に削減されています。

WLAN開発キット『CE WLAN DK 2.0』の構成
WLANチップセットを用いた開発をより短期間で、かつ容易に組み込めるよう支援する開発キット『CE WLAN DK 2.0』は、ハードウェア・リファレンス・デザイン、チップセット、ソフトウェア・ドライバ・パッケージで構成されています。

  • 『TNETW1351WLANチップセット』
  • ハードウェア・リファレンス・デザイン(PCA-202): FCC(米国連邦通信委員会)やWi-Fiの認証に対応する設計で、市場投入期間の短縮によってメーカ各社を支援します
  • 『ソフトウェア・ドライバ・パッケージ(『CE-STA-DK 2.0』):TIによるフル機能のソフトウェア・ドライバ・パッケージ。Wi-Fi Protected Access(WPA)やWPA2などのセキュリティ技術、Windows Multimedia(WMM)や802.11eなどのサービス品質(QoS)機能を実現し、Wi-Fi Simple Configurationのサポートなどにより優れた使い勝手を実現します。SDIOインタフェースによって、CPU利用率を最小限に抑えながらも、最大20Mbps超という最高のスループットを実現します。

なお『CE WLAN DK 2.0』は、OMAPプロセッサやDaVinciベースのプロセッサのような主要なプロセッサ・プラットフォーム上で、SDIOインタフェースを介して直接構築できるようになっています。

TIのパートナー各社が設計オプションを提供
メーカ各社はTIのプラットフォーム上でWLAN機能を開発できることに加え、TIのパートナー・ネットワークを活用することで開発期間を短縮しつつ、さらなる最終製品の差別化に注力できます。ポータブル機器分野でのTIのパートナーとしてはCadenux社、eSOL社、Ittiam社、Ingenient社、Jorjin社が挙げられますが、これらのパートナー企業は最終機器のリファレンス・デザインを完成させるため、シンプルなオペレーティングシステム(OS)ポートから製品を提供しています。
開発プラットフォームごと提供するというTI独自のアプローチにより、WLAN機能を組みこもうとするメーカは、ホスト・プロセッサ・サポート、開発キット、TIのサード・パーティー・ネットワークの活用など、システム構築に必要なツールとサポートを包括的に利用できます。これによって機器メーカは、WLAN機能の作りこみに煩わされることなく、それぞれの製品の差別化に注力できます。この結果、最終製品の設計から生産までに要する期間を短縮し、ポータブル機器の開発における「高集積化」の課題も取り除くことができます。

TIのWLANソリューションがもたらすメリット
TIは、機器メーカがWLAN機能を製品に簡単に組み込めるよう、包括的な開発プラットフォームを提供するというユニークなアプローチをとっています。同社はこれまでブロードバンド市場で培ったシステム・レベルのアプローチを、コンシューマ機器分野にも活用しました。TIが今回発表した『CE WLAN DK2.0』を最終製品開発に採用することで、メーカは、信頼性に富むWLAN機能付き製品の開発が可能となります。

供給について
ポータブル・アプリケーション向け『TNETW1351WLANチップセット』および、WLAN開発キット『CE WLAN DK 2.0』の出荷は本日より開始し、日本TIの特約代理店を通じて提供されます。

TIのコンシューマ機器向けWLAN製品群に関する詳細は、同社のホームページwww.ti.com/cewlan(英文)から参照できます。