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TIのDSPがコルグの最新のシンセサイザーに採用

2006年04月11日

日本TI | TIのDSPがコルグの最新のシンセサイザーに採用

『TMS320VC5502DSP』の搭載により
アナログモデリングほか多数の音源方式を実装、新製品の差別化に貢献
  SCJPR-06-037 2006年4月11日
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は、株式会社コルグ(本社:東京都稲城市、代表取締役社長:加藤世紀、以下コルグ)が2月28日に発表した最新のシンセサイザー製品、「RADIAS」の2モデルに、TIの高性能・低消費電力DSP『TMS320VC5502』(以下『VC5502』)が採用されたと発表しました。「RADIAS」は、多種多様なシンセシス・アルゴリズム、充実したエフェクト・システム、新しいコム・フィルターやウェーブ・シェイプ回路、モジュレーション・シーケンサー、ならびに新しいフォルマント・モーション機能を搭載した、コルグ社の最新のシンセサイザー製品です。「RADIAS」の2モデルはいずれも5月に発売予定です。

コルグの開発部主任である中村健一氏は、『VC5502』の採用に際して、次のように述べています。「今回開発したシンセサイザー「RADIAS」では、「アナログモデリング」注1方式をはじめとする多様な音源方式の採用やサウンド・エフェクト機能の搭載と同時実行を重視しました。これら数多くの機能の実装にあたり、音声処理に適したDSP コアを持つ『VC5502』は最適の選択となりました。特にシンセサイザーの肝となる音源部分については、豊富な開発ツールとTIの手厚いサポートにより、当社の開発チームも早期に的確な設計ノウハウを蓄積し、必要なソフトウェア群を開発できました」

『TMS320 VC 5502』DSPは、TIの『C5000』プラットフォームの最新コアである『C55x』を採用した、16ビット固定小数点DSPです。並列処理の強化、可変命令長採用によるコード生成効率の改善、豊富なペリフェラルの搭載などを特長としています。
今回のコルグ社製品「RADIAS」には、TIの『VC5502』が採用されました。『VC5502』は16バンドのボコーダ(人の発声を楽器音として処理できるエフェクタの一種)や、シンセサイザーのオシレータ、マルチモードフィルタ処理(ローパス、ハイパス、バンドバス)等の音源処理に使用されています。
コルグの最新のシンセサイザーである「RADIAS」は、電子楽器の開発に40年以上の実績を持つ同社の開発ノウハウが結集された製品です。心臓部にコルグの最新シンセシス・エンジンであるMMT(Multiple Modeling Technology)を採用したシンセサイザー、エフェクタ、ボコーダを、高剛性アルミフレーム構造を持つ斬新なデザインの筺体に一体化しました。今年1月には世界的な楽器見本市である「NAMMショー」に出展され、ミュージシャンや音楽制作者をはじめとする来場者の高い注目を集めました。コルグの「RADIAS」の詳細については以下のサイトをご参照ください。
http://www.korg.co.jp/RADIAS/

『TMS320 VC 5502』について
『TMS320C5502』DSPは、300MHz(600MIPS)動作のC55x™ コアを搭載し、高演算性能と超低消費電力を低価格で実現します。またTIの他の『C5000™ DSP』製品群とコード互換性を確保しています。同DSPの採用により、設計者は先進的な機能、バッテリ寿命の延長、システム・コストの大幅な削減といった数々のメリットを得られます。主なアプリケーションは、通信業界向け組み込み用途、コンシューマ向けオーディオ製品、医療機器、バイオメトリクス、工業用センサなどです。

株式会社コルグについて
株式会社コルグ(本社:東京都稲城市、代表取締役社長:加藤世紀)は、昭和38年の創業以来、一貫して電子楽器の製造に取り組み、独自の創造性と技術力を駆使して、常に時代を先取りする画期的な製品を世に送り出してまいりました。おかげさまで内外のトップ・ミュージシャンをはじめ、多くの音楽ファンの方々の支持を得て、電子楽器を中心とする新しい音楽文化の創造に寄与いたしております。

NAMMについて
国際楽器協会(The International Music Products Association)は、同団体が主催する国際的な楽器見本市「NAMM」の名称で一般には知られています。同団体は非営利目的の団体であり、全世界で約160億ドル規模になる楽器ならびに関連製品市場を取りまとめ、リードし、推進しています。また同団体は、あらゆる年齢の人々が音楽制作に取り組めるよう、各種活動やプログラムを実施しています。
NAMMは9000近いメンバー各社で構成されます。同団体に関する情報は、(www.namm.com 英文)をご参照いただくか、担当窓口まで直接お電話ください(米国800-767-6266 英語)

注1: アナログモデリング:シンセサイザーの音源方式の一つ。従来、アナログの電気信号で制御していた音源を、デジタル回路で再現、発展させた方式。構造的に温度、電圧などに影響を受けやすかったアナログ回路の弱点を解消しつつ、よりアナログそのままの音に近づけるのみならず、アナログでは実現が難しかった高精度な音色を実現。
※TMS320C55xおよびC5000はTIの商標です。全ての商標ならびに登録商標はそれぞれの所有者に帰属します