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日本TIが最新のVoIP ソリューションを発表高い音声品質と先進的な機能を低価格で実現

2006年03月08日

日本TI | 日本TIが最新のVoIP ソリューションを発表 高い音声品質と先進的な機能を低価格で実現

~品質管理システム『PIQUA™ 』を搭載、リアルタイム管理が可能に~
  SCJPR-06-022 2006年3月8日
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、VoIP(IP電話システム)の最新チップ、『TNETV1061』を発表しました。同製品は最新の音声通話とデータのルーティング(経路情報処理)機能を実現します。
DSPベースの『TNETV1061』は、サービス事業者が個人加入者用IP電話機器の選定に当たって非常に重視する音声品質、拡張性、低コストおよび信頼性の全てを備えています。最適化された同製品の採用により、機器メーカはBOM(部品コスト)を大幅に削減しつつ、より高い処理性能や最新のIP電話サービス機能を加入者に提供できます。

国内のIP電話の番号利用数は2005年末で1,000万件*1を超え、また各大手通信会社も固定電話のIP化に積極的な姿勢を打ち出すなど、IP電話の普及は今後いっそう進むものと考えられます。その普及に伴い、より優れた性能と多様な機能を低価格で、という市場ニーズも高まるものと予想されます。
『TNETV1061』はこうしたニーズに向けて、TIのDSPと高品質VoIPソフトウェア『Telogy Software™ (テロジー・ソフトウェア)』を統合させた、一般ユーザ向けVoIPソリューションです。同ソリューションは『TNETV1061』デュアルプロセッサ・アーキテクチャをベースに、ソフトウェアとDSPを組み合わせて最適化させることで、高負荷環境下でも、音声通話とデータ通信を同時に、かつリアルタイムで処理できます。
主な対象アプリケーションは、アナログ・ターミナルアダプタ、VoIPゲートウェイ/ルータ、VoIP対応802.11b/g準拠アクセスポイント/ルータ、ブロードバンド・コードレスフォンなど各種のIP電話機器です。本件に関する詳細はwww.ti.com/tnetv1061(英文)から参照できます。

『TNETV1061』について:高い音声品質とセキュリティ機能
TIの『TNETV1061』ソリューションは、音声およびネットワークの包括的なプロトコル群、各種コール機能、XMLベースの構成管理および遠隔管理をサポートします。従って機器メーカ各社は最終製品の市場投入期間を短縮できます。また、『TNETV1061』は、一般ユーザ向け製品に必要な音声チャネル密度を確保しながら、SRTP(Secure RTP)やSIP TLSなど先進のセキュリティ機能も提供します。
さらに『TNETV1061』は、TIの組み込み型IP電話品質管理システムである『PIQUA™ 』(2006年1月発表)を搭載しており、このシステムを利用することでサービス事業者はIPサービスをリアルタイムでモニタできます。具体的には音声品質パラメータをプロアクティブに評価し、変化するネットワーク条件に動的に適応することで、加入者の使用体験をより向上させます。

個人宅におけるブロードバンド・アプリケーションを融合
家庭内の固定電話と携帯電話は融合への動きを見せています。TIは『TNETV1061』の投入によって、こうした融合ニーズとそれに伴う処理性能の向上に対応し、市場におけるリーダーシップを強化します。
『TNETV』ファミリの各製品は、EVRC*2やGSMなど携帯電話通信の高速コーデックをサポートします。このため通信サービス事業者は、VoIP技術の導入によって運用コストを抑えつつ、携帯電話サービスの利便性と組み合わせて加入者に提供できるようになります。

『TNETV1061』ソリューションは、TIの802.11b/g準拠チップセット『TNETW1350A』とシームレスに接続することができます。またアクセスポイント・ソフトウェアを標準搭載しており、無線LAN機能付のVoIP製品での使用にも適しています。
さらにTIのG++™ 技術をあらかじめ組み込んでいるため、従来の無線LANソリューションと比較して伝送範囲は2倍に、スループットは1.5倍になります。加入者はこれらのメリットを享受しつつ、電子レンジやコードレスフォンなどの電化製品や、隣接する無線ネットワークなどの電波干渉は最小限に抑えられます。

『TNETV1061』ハードウェア仕様
  • 高性能『TMS320C55x™ 』DSPコアとMIPS社製RISCプロセッサを搭載
    • 既存製品と比較して処理性能が著しく向上、さらに高速プロセッサの採用によりルーティング処理能力など様々な機能を強化
  • DDR、NANDフラッシュなどのメモリ・インタフェースを搭載
    • 電話機器内にボイスメールを保存可能
  • Legerity、Silicon Laboratoriesなど最新のテレフォニー・インタフェースをはじめ、コスト効率により優れたSLIC(加入者ポート)ソリューションをサポート
  • 高い処理能力
    • 電話会議向けにセキュリティを確保しつつ2回線同時処理が可能
  • 10/100イーサネットのPHYインタフェース、AutoMDIXをサポート
  • 『VLYNQ™ 』インタフェース搭載
    • TIの『TNETW1350A』802.11a/b/g WLANとシームレスに接続

『TNETV1061』ソフトウェア仕様
  • 各種音声ボコーダに対応
    • G.711 (PCM), G.723.1A, G.726(ADPCM), G.729AB, GSM-FR, GSM-AMR
  • 最大4チャンネル(音声)をサポート
  • 『PIQUA™ 』搭載
    • 音声品質のモニタ、サービス提供、管理、ネットワーク管理がより容易に
  • ライン・エコー・キャンセラ:G.168-2002
  • パケット・ロスの補正・回復
  • SIPプロトコル・スタックおよび追加サービス
  • セキュリティに優れたRTP、SIP TLS
  • T.38 ファクス・リレー: T.30, V.17,V.29, V.27ter, V.21
  • V34 ファクス・サポート
  • 会議ブリッジ
  • 発信者番号通知
  • 国外の電圧化での回線テスト済み
  • ネットワーク・サポート・パッケージ
  • WiFi認証済み802.11b/gアクセスポイント
  • Linux OS

価格と供給について
『TNETV1061』は2006年第2四半期から、TIの個人宅向けVoIPソフトウェアおよびハードウェアソリューションに関心のあるお客様に向けて量産出荷を開始します。

TIのブロードバンドソリューションについて
ブロードバンド・コミュニケーション・ソリューションを開発するOEM各社に向けて、TIの高度なシグナル・プロセッシングをベースにしたシリコンとソフトウェアによるプラットフォームは、最適な性能、低消費電力、システムレベル・インテグレーションを提供し、ケーブル・モデム、xDSL(デジタル加入者回線)モデム、統合型アクセスデバイス(IAD)、VoIPゲートウェイ、通信事業者向けインフラストラクチャ、家庭およびオフィス向けワイヤレス・ネットワーキングなどの各分野において次世代製品の差別化を支援します。
詳細はhttp://www.ti.com/broadband(英文)でも参照いただけます。

*1: 2006年3月3日 総務省発表による
*2: EVRC(Enhanced Variable Rate Codec):音声符号化方式の一つ。cdmaOneで使用
※Telogy Software, PIQUA, G++, TMSC320C55x, およびVLYNQはTexas Instruments社の商標です。その他全ての商標ならびに登録商標はそれぞれの所有者に帰属します