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日本TIが『OMAP3』アーキテクチャを発表全く新しい携帯電話の開発を促進

2006年02月15日

日本TI | 日本TIが『OMAP(tm) 3』アーキテクチャを発表 全く新しい携帯電話の開発を促進

~65nmプロセスによる業界初のアプリケーション・プロセッサ
HD、携帯向けデジタル・テレビ放送にも対応~
SCJPR-06-016 2006年2月15日
image 日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、携帯電話とユーザーとの関係を飛躍的に高める携帯電話用『OMAP™ 3』(読み:おーまっぷすりー)アーキテクチャを発表しました。『OMAP 3』アプリケーション・プロセッサを搭載した携帯電話は、エンターテインメント性能と生産性の両方を向上させ、カメラ、ゲーム端末、携帯型ビデオ・プレーヤー、携帯型音楽プレーヤー、ノートPC、PDA(携帯型情報端末)などの各種機能を融合できます。
『OMAP 3』アーキテクチャに基づく初のデバイスとなる『OMAP3430』プロセッサは、アプリケーション・プロセッサとして業界最高の処理性能を備えており、65nm(ナノメートル、1ナノメートル=10億分の1メートル)プロセス技術を使った初めての携帯電話端末向けアプリケーション・プロセッサとなる見込みです
『OMAP3430』プロセッサは、2006年中旬のサンプル出荷を予定しています。本件に関する詳細はwww.ti.com/omap3(英文)から参照できます。

新しい『OMAP 3』アーキテクチャ上では、データベース、表計算、プレゼンテーション、電子メール、添付ファイル(オーディオやビデオ)の共有、ウェブサイトの閲覧、テレビ会議機能などに、ユーザーがより迅速にアクセスできるようになります。
『OMAP 3』は、『ARM® Cortex™ -A8』スーパースケーラ・マイクロプロセッサ・コアを使った業界初のアプリケーション・プロセッサ・プラットフォームです。『ARM® Cortex™ -A8』コアは、『OMAP 2』プロセッサに採用されている『ARM11』コアと比較し、処理性能が3倍以上に向上しています。『OMAP 3』は、より強化されたARMコアの処理性能とTIのDSP技術を組み合わせることで、携帯電話端末に必要な電力効率を落とすことなく、携帯電話端末上でのビジネス・アプリケーションやエンターテインメント・アプリケーションの処理能力を大幅に高めることができます。

『OMAP3430』プロセッサの特長:HD対応、DVD並みの高画質、モバイルDTV対応
このほど発表の『OMAP3430』プロセッサは、携帯電話向けプロセッサとして初めて高品位(HD)画質の映像再生機能を実現可能としました。同プロセッサを搭載した携帯電話端末では、ユーザーは映画をダウンロードし、HDモニタで視聴できるようになります。
『OMAP3430』プロセッサはまた、DVD品質のビデオカメラ機能も実現可能です。これは、TIのDaVinci™ テクノロジーでも使われている画像処理機能である、ビデオ/オーディオ用第2世代アクセラレータ、『IVA™ 2+』の搭載によって、現行の『OMAP2430』プロセッサと比較して処理性能が4倍に向上したためです。これによって、テレビ会議機能をはじめ、ほとんどの主要動画規格(MPEG4やWindows Media Video 9(VC-1)、H.264、RealVideo® 10など)をDVD並みの高画質で録画・再生できるようになります。

さらに『OMAP3430』プロセッサ、世界各地のモバイルDTVデコード規格にも対応しており、TIの『Hollywood™ 』モバイルDTVチップと組み合わせて使用できます。S-ビデオ出力もサポートしており、TVモニタやプロジェクタに高画質ビデオを表示できます。ARMの高い処理性能と2D/3Dグラフィックス・コアを組み合わせた結果、携帯電話端末におけるゲーム・アプリケーションも、これまで以上に楽しめるものとなるでしょう。
画像のキャプチャ性能も大幅に向上しました。『OMAP3430』プロセッサは、『OMAP2430』プロセッサの2倍の処理性能を持ち、1秒以下の間隔で12メガピクセルをキャプチャ可能です。これはハイエンドの自動露出・自動焦点デジタル・スチル・カメラの性能に匹敵します。同性能はカメラ用ISP(イメージ・シグナル・プロセッサ)の集積により実現しており、システム・コストの削減とともに、画質による差別化を可能としました。『OMAP3430』プロセッサのISPは、すでに量産出荷の実績がある高画質のTIデジタル・スチル・カメラ技術をベースに、モバイル用途での画像処理の要件に最適化させたものです。

なお、大容量の記憶デバイスを利用したいというニーズに対応するため、『OMAP3430』プロセッサには、大容量ハードディスク・ドライブ(HDD)用インターフェイスが備えられています。これによって、動画にして数百時間規模、音楽データで数千時間規模、写真なら数千枚規模のデータ格納が可能となり、携帯電話端末はユーザーにとって「デジタル・ライブラリ」となります。

TIの65nmプロセスと独自技術により低消費電力性能とセキュリティ機能を大幅向上
『OMAP3430』プロセッサは、65nmプロセス技術で製造される業界初のアプリケーション・プロセッサとなる見込みです。同プロセッサはTIの最先端の低消費電力65nmプロセスで既に量産ベースに入っており、消費電力を抑えつつ、最新のアプリケーションに必要な処理性能を実現します。
『OMAP3430』プロセッサは、TIの『SmartReflex™ 』テクノロジーにより、デバイスの動作状況や動作モード、プロセス技術、温度変化に応じて動的に電圧や動作周波数、消費電力を制御し、消費電力を削減します。また、ハードウェアとソフトウェアによる先進のセキュリティ・フレームワーク『M-Shield™ 』も搭載しており、高付加価値のデジタル・メディア・コンテンツやセキュアなプロトコルによるアプリケーション、そして、チケット購入やバンキング、証券取引、ショッピングなどの電子商取引向け各種アプリケーションの安全性を高いレベルで守ることができます。『M-Shield』テクノロジーはユーザー側の新しい付加価値サービスの利用や端末セキュリティの向上を実現すると共に、ネットワーク事業者やコンテンツ・プロバイダ、メーカ側が機密性の高い資産や使用権を安全に取り扱えるようにし、収益が確実に入るようにトランザクションを保護できます。

TIのOMAPエコシステム-ソフトウェア、アプリケーション、サポート
『OMAP3430』プロセッサは、Linux® 、Symbian OS™ 、Windows Mobile™ などの主要なハイレベルOS(HLOS)を全てサポートしています。また、他の『OMAP』プロセッサと同様、『OMAP3430』プロセッサもOMAPエコシステムによりサポートされます。OMAPエコシステムは、OMAPデベロッパー・ネットワーク、つまり、ソフトウェアおよびハードウェアのサードパーティー・デベロッパーとシステム・インテグレータ、開発ツール・プロバイダによる世界的なネットワークです。

供給について
TIの『OMAP3430』マルチメディア・プロセッサは、2006年中旬にサンプル出荷を開始し、2007年には量産体制に入る予定です。『OMAP3430』プロセッサに関する詳細はwww.ti.com/omap3(英文)から参照できます。

TIの ワイヤレス技術への取り組み
ワイヤレス向け半導体のリーディング・メーカであるTIは、コア・テクノロジーを提供し、次世代ソリューションを開発しています。TIはシリコンとソフトウェア全般と共に、全ての通信規格に対応する携帯電話機から基地局までを含む各種ソリューション、無線LAN、A-GPS、モバイルTV、Bluetooth® 、UWB(ウルトラ・ワイドバンド)にまで及ぶ広範囲な通信分野において、16年に及ぶ無線技術向けシステム専門技術を有しています。さらに、先進的な半導体プロセスをベースに、チップセットからリファレンス・デザインまでの包括的なソリューション、OMAP™ アプリケーション・プロセッサ、コア・デジタル・シグナル・プロセッサおよびアナログ技術によるターンキー・ソリューションを顧客に提供するとともに、カスタマイズの要求にも対応します。
本件に関する詳細はwww.ti.com/wirelesspressroom(英文)から参照できます。

※ 「OMAP」「DaVinci」「Hollywood」「SmartReflex」および「M-Shield」 は TIの商標です。その他の全ての商標ならびに登録商標はそれぞれの権利者に帰属します。