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TIが『Hollywood 』モバイル・デジタルTVチップを発表

2006年01月11日

日本TI | TIが『Hollywood(tm) 』モバイル・デジタルTVチップを発表

~業界初のシングルチップ・モバイルTVソリューションが、
普及型携帯電話によるTV放送の実用化を実現~
ご参考資料(米国時間2006年1月4日発表 和訳) SCJPR-06-007 2006年1月11日
テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)は本日、各国向けに端末を製造している顧客メーカ各社に対し、携帯電話用『Hollywood™ 』(読み:ハリウッド)DTVシングルチップ・ソリューションの出荷を開始したと発表しました。TIの『Hollywood』チップは、標準的な90ナノメートル・デジタル・プロセスを用い、モバイル用のTVチューナーおよびデモデュレータを業界で初めて一つのシリコン上に集積することに成功しました。『Hollywood』チップを搭載した携帯電話は、2006年後半の市場化が予定されています。これにより、携帯電話端末の低価格、優れたバッテリ寿命、程良いサイズを犠牲にすることなく、世界中の数多くの消費者の携帯電話でデジタルTV放送を受信できるようになります。

TIのワールドワイド・ワイヤレス・ターミナルズ・ビジネスユニット、 シニア・バイス・プレジデント 兼 ジェネラル・マネージャのジル・デルファシー(Gilles Delfassy)は次のように述べています。「消費者の皆様が自らの手の中で『Hollywood』を体験していただけるよう、私たちは積極的に取り組みました。『Hollywood』の設計チームは、素晴らしい仕事をしてくれました。3日も経たないうちに、デジタルTVコンテンツを受信できるところまでチップの動作確認をしてくれたのです。カメラ付き携帯電話が2.5Gの普及を促進したように、モバイルTVが受信できるようになれば3Gの普及がさらに進み、TV放送局にとっても携帯電話事業者にとっても新たな収益源が生まれるものと考えられます」

ABI Research社の主席アナリストであるアラン・バーギース(Alan Varghese)氏は次のように述べています。「携帯電話によるTV放送は、世界中の市場で大きな魅力となりつつあります。ただし、この機能を携帯電話端末に組み込むためには、小型で低消費電力、低コストのソリューションが必要となります。通常、TV機能を実現するためにはRF、ベースバンド、メモリと3種類のチップを必要とします。このような制約があることを踏まえると、チップ・ベンダーから統合シングルチップ・ソリューションの提供を受ける端末メーカは、市場をリードできる優位な立場に立てることになります」

『Hollywood』モバイルDTVファミリとして最初に発売されるのは、『DTV1000』と『DTV1001』の2種類です。いずれのチップも包括的なソリューションとなっており、短期間かつ低コストでモバイルTV端末やその受信サービスをマス・マーケットに届けることが可能です。本件に関する詳細はwww.ti.com/hollywoodpr(英文)から参照できます。
『Hollywood』チップでは、世界中の顧客のニーズに対応できるように、業界のオープン規格をサポートしました。現在サポートしている規格は、欧州や米国、アジアの一部など世界各地で採用されているDVB-Hと、日本で採用されているISDB-T(ワンセグ)です。DVB-HもISDB-TもOFDM(直交周波数分割多重方式)技術を採用していますが、この技術は、優れたスペクトル効率と高いマルチパス特性を持つため、モバイルTVのパフォーマンスを高めることができます。

さらに、『DTV1000』チップと『DTV1001』チップはいずれも、TIの『OMAP™ 』アプリケーション・プロセッサ・ファミリと組み合わせて使用でき、クリアで切れのよいビデオやステレオ・オーディオを実現できるため、消費者は、リビングルーム級の高品質のTV放送を手元で楽しむことができます。

Modeo™ 社(旧Crown Castle Mobile Media社)の社長、ミカエル・シューペルト(Michael Schueppert)氏は次のように述べています。「TIの『Hollywood』製品ラインの開発が進んでいることに対し、Modeoよりお喜び申し上げます。これは、モバイルTV市場に対するTIの確固たる取り組みを示すものであり、今後は、モバイル用として優れたTVコンテンツやオーディオ・コンテンツがモバイル端末で受信するために必要な、高性能で低価格のソリューションが提供されることでしょう」

TIの『Hollywood』モバイル放送用シングルチップ・ソリューション
『DTV1000』は、470~750MHz(UHF)と1.670~1.675GHz(Lバンド帯*)で動作するDVB-Hをサポートしており、『DTV1001』は470~770MHzで動作するISDB-T 1セグメントをサポートしています。『Hollywood』デバイスではまた、TIの画期的な『DRP™ 』テクノロジーの活用により、標準的な90ナノメートル・デジタル・プロセスで、2個のチップやシステム・イン・パッケージ(SIP)ソリューションを単一のシリコン上に集積しています。
  • 基盤面積の最小化:集積度を高めてボール数を最小限に抑えた結果、受動素子や電力スイッチング素子も含めたソリューション全体で基盤面積が1cm2(平方センチメートル)以下と、超小型化に成功しました。チューナーとデモデュレータ、外部メモリと複数のチップを必要とする従来のソリューションと比較して、最終製品の大幅な小型化が可能です。
  • 超低消費電力:1ボルトという低電圧で動作するRF CMOSプロセスと低消費電力設計技術を駆使し、典型的なカテゴリB DVB-H端末で消費電力をわずか30mW(ミリワット)まで抑えることに成功しました。TIの低消費電力『OMAP』アプリケーション・プロセッサと組み合わせれば、4時間~7時間*のTV放送を視聴できることになります(*ディスプレイとバッテリのサイズにより変動)。
  • 市場投入期間の短縮:『DTV100X』が備える付加価値の高い処理性能により、ソフトウェア・ドライバとAPIパッケージという非常にシンプルな追加だけで、『OMAP』アプリケーション・プロセッサなどのホスト・プロセッサとの統合を速やかに行えます。この結果、顧客メーカは製品の市場投入期間を短縮できます。
  • 高性能:複数のTVチャンネル(エレメンタリ・ストリーム)の同時サポートが可能なほか、1.5秒以下という短時間でチャンネルを切り換えることもできます。
  • 部品点数および部品コストの削減:高集積度を実現した結果、外付け部品は低価格のものが少数、必要なだけになっており、量産時の部品コスト(BOM)は10ドル未満と考えられます。

TIの ワイヤレス技術への取り組み
ワイヤレス向け半導体のリーディング・メーカであるTIは、コア・テクノロジーを提供し、次世代ソリューションを開発しています。TIはシリコンとソフトウェア全般と共に、全ての通信規格に対応する携帯電話機から基地局までを含む各種ソリューション、無線LAN、A-GPS、モバイルTV、Bluetooth® 、UWB(ウルトラ・ワイドバンド)にまで及ぶ広範囲な通信分野において、16年に及ぶ無線技術向けシステム専門技術を有しています。さらに、先進的な半導体プロセスをベースに、チップセットからリファレンス・デザインまでの包括的なソリューション、OMAP™ アプリケーション・プロセッサ、コア・デジタル・シグナル・プロセッサおよびアナログ技術によるターンキー・ソリューションを顧客に提供するとともに、カスタマイズの要求にも対応します。
本件に関する詳細はwww.ti.com/wirelesspressroom(英文)から参照できます。

※ Lバンド帯:既存の光ファイバ網の未使用波長帯域に相当する帯域
※ 「Hollywood」「DRP」および「OMAP」 は TIの商標です。「Modeo」はModeo LLCの商標です。
※ その他の全ての商標ならびに登録商標はそれぞれの権利者に帰属します。