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TIとサードパーティ・パートナー企業各社、車載インフォテイメントにおける技術革新を推進

2006年01月06日

日本TI | TIとサードパーティ・パートナー企業各社、車載インフォテイメントにおける技術革新を推進

~デジタル・マルチメディア・コンポーネントの提供により、
顧客が製品を短期間かつ低コストで市場に提供できるよう支援~
  SCJPR-06-004 2006年1月6日
テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)は本日、米国ラスベガスで開催中のInternational Consumer Electronics Show (CES2006)において、車載インフォテイメント市場の成長を加速するサードパーティ4社との協力関係を発表しました。自動車のダッシュボード機器やヘッド・ユニットにマルチメディア・アプリケーションや通信アプリケーションを短期間で搭載する際に必要となるツールを顧客に供給します。TIでは、パートナー各社との協力によりこれらのテクノロジーを開発・統合し、ハンズフリー・コネクティビティやデジタル・メディア・ミドルウェア、GPSといったキー・アプリケーションの基盤技術を提供しています。本件に関する詳細はwww.ti.com/automotiveinfotainment1(英文)から参照できます。

Gracenote社やStonestreet One社、Trimble社(NASDAQ:TRMB)、Universal Electronics社(UEI)のテクノロジーを活用することにより実現する新たなアプリケーションは、車内におけるデジタル・マルチメディアやデジタル通信の新たな進化形となるものです。いずれも、TIの車載アプリケーション向けプログラマブルOMAP™ テクノロジー、すなわち高い効率と優れたコストパフォーマンスで車載インフォテイメント機能を実装できるように設計されたデュアル・コアDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)とRISCアーキテクチャを採用しています。

車載インフォテイメント・アプリケーションでは、一般的に、信号処理能力と汎用制御機能が必要とされます。例えば、MP3の再生とCDのリッピングでは、ファイルのエンコードとデコードをDSP処理しつつ、数千にも上るファイルを容易に管理するための効率的なメディア・データベースや、PCとの同期機能も必要になります。TIのパートナー各社は、顧客が高品質のマルチメディア・アプリケーションを実装できるように、TIのデュアル・コア・アーキテクチャに最適化されたソフトウェアを提供するので、顧客は付加価値機能や製品の差別化に注力できます。

TIのデジタル・ラジオ/インフォテイメント担当マネージャ、カート・ムーア(Curt Moore)は、次のように述べています。「TIは、設計を容易にするさまざまなツールの提供を通じて、顧客各社の製品を自動車に搭載させるよう支援します。パートナー各社とともに、彼らのテクノロジーをTIの車載プラットフォームに最適化することで、車載インフォテイメントにおける新次元のデジタル機能を競争力の高い価格で提供するのです」

デジタル・メディア・ミドルウェア
家庭用PCのアプリケーションとしても、車内のデジタル・メディア管理用の組み込みミドルウェアとしても利用できるのが、UEI社(http://www.uei.com/)のSimplewareソフトウェアです。このソフトウェアを使うと、家庭用PCで整理したマルチメディア・コンテンツを車載ヘッド・ユニットに転送することができます。わずか3行しか表示できない小型ディスプレイのユニットにも転送が可能です。別のパートナー企業、Gracenote社(http://www.gracenote.com/)が提供する組み込み型の音楽データベースでは、CDやデジタル音楽ファイルの自動認識が可能で、ユーザーはインターネットにアクセスすることなく、アルバムや曲目のタイトルを表示したり自動再生リストを作成したりできます。
ミドルウェアは、家庭側のデータベースと車載ヘッド・ユニットとの同期を管理したり、あるコンテンツがどこに記憶されているかを自動的に追跡したり(ハードディスクやCD、USBメモリ、USB接続のポータブル・メディア・プレーヤなど)、再生に必要なエンコード規格を自動的に判断したり、コンテンツを完全に管理できる機能を実現したりといった働きを通じて、ユーザー体験を高めるベースとなります。このミドルウェアをRISCプロセッサ側で処理させることで、DSPは高品質のリアルタイム・デコード処理や、デジタル著作権管理などのセキュリティ・ソフトウェアの処理に特化できます。


ハンズフリー・コネクティビティ
Stonestreet One社(http://www.stonestreetone.com/)が提供するBluetopia® は、さまざまなユーザー・プロファイルを利用できる堅牢性の高いBluetoothプロトコルスタックで、ヘッドセットからハンズフリー、ストリーミング・オーディオなどを幅広くサポートし、組み込みアプリケーションに最適です。Bluetoothテクノロジーによるハンズフリー・コネクティビティを実現するにあたり、自動車環境に特有の課題に対応するため、Bluetopiaは、サードパーティ製のエコー・キャンセレーション機能とノイズ・サプレッション機能を搭載しています。また、DSPに余分な負荷をかけずに済むように、スタックやプロファイルの処理をRISCプロセッサ側に割り振っています。

GPS機能
GPSテクノロジーをリードする企業、Trimble社(http://www.trimble.com/)も、その豊富なノウハウをTIのインフォテイメント・ソリューションに提供してくれました。Trimble社が提供するソフトウェア・ベースのGPS開発プラットフォームを利用することで、DSPによる堅牢なカーナビゲーション・アプリケーションを開発することができます。Trimble社のテクノロジーを活用すれば、顧客はGPSの統合コストを最小限に抑え、開発に関わるROI(投資利益率)を改善するとともに、Galileoなど今後登場してくるテクノロジーにも対応可能です。

上記の各コンポーネントは、すべてOMAP XDAIS相互運用性規格に準拠し、かつ、TIのリファレンス・フレームワーク(RF)・レベル6をサポートしているため、TIおよびそのサードパーティが提供するさまざまなマルチメディア・ライブラリを効率的に統合することができます。TIの自動車用OMAPテクノロジーもサードパーティ・アプリケーションも、QNXのオペレーティング・システム上で動作します。

各パートナー企業では、技術の評価やアプリケーションへの実装に利用できるSDK(ソフトウェア開発キット)も提供しています。SDKの供給状況については、各パートナー企業にお問い合わせください。

※ OMAPはTIの商標です。BluetopiaはStonestreet Oneの登録商標です。その他の全ての商標ならびに登録商標はそれぞれの権利者に帰属します。