2005年11月24日
SCJPR-05-098 2005年11月24日
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、バー・ブラウン製品ラインアップから、クラス最高のチャネル・サイクル・レート23.7 kSPS(キロサンプル/秒)と42μs(マイクロ秒)の最小のレイテンシを提供する16 チャネル、24 ビットの ADC(アナログ-デジタル・コンバータ)、『ADS1258』を発表しました。この新型ADC は、TIの高性能、高精度ミックスド・シグナルCMOSテクノロジーで製造され、自動工作機械およびシステム監視、医療、航空、試験・計測、計装、工業用プロセス制御などをはじめとするマルチ・チャネルのアプリケーション向けに最適化されています。本件に関する詳細は www.ti.com/sc05240 (英文)から参照できます。
『ADS1258』は、チャネル固定モードの場合には125 kSPSのデータ・レートを、自動チャネル・スキャン・モードの場合には 23.7 kSPSのデータ・レートと 20 ビットのENOB(有効ビット数)を提供します。これまで大多数のデルタ-シグマ型コンバータでは、入力チャネルの切り替え後、データのセトリング時間として数回の読み出しサイクルの待ち時間が必要でした。『ADS1258』はセトリング時間が短く、各チャネルへの切り替え後ただちに安定したデータを提供できます。
TIのオーバーサンプリング・データ・コンバータ・プロダクツ、システム・エンジニアであるマーク・ベラールドゥッチ (Mark Berarducci) は次のように述べています。「『ADS1258』は、24ビットのデルタ-シグマ型コンバータとしては他に類のない変換速度を備え、23.7 kSPS 動作時には16チャネルすべてを675 μs 未満の時間と 12μVrms(マイクロボルト、実効値)の入力換算ノイズで測定でき、精度とマルチ・チャネルの測定が必要なアプリケーションに飛躍的な性能を提供します」
また『ADS1258』は0.5μV/℃のオフセット・ドリフト、フルスケールの0.0010%(最大値)の積分非直線性誤差、42 mW(ミリワット、代表値、変換動作時)の低消費電力などの特長も備えています。
高い柔軟性を提供する入力マルチプレクサは 8 チャネルの差動入力または 16 チャネルのシングルエンド入力が可能で、フルスケール 5 V(ボルト)の差動入力範囲または ± 2.5 V の真のバイポーラ入力範囲を提供します。マルチプレクサの出力は外部からもアクセス可能で 、各チャネルに共通する信号コンディショニング回路ブロックを ADC 入力の前に接続できます。また、自身の電源電圧、内蔵温度センサ、基準電圧も容易に監視できます。システム・クロックはオンチップのPLL(フェーズ・ロックド・ループ)回路と安価な 32.768 kHz(キロヘルツ)の水晶発振子または外部のクロック信号源から発生でき、変換動作は専用のハードウェア・ピンまたはソフトウェア・コマンドの実行によって制御できます。『ADS1258』は SPI 互換のシリアル・インターフェイスを搭載しており、TIの超低消費電力マイクロコントローラ・ファミリである『MSP430』をはじめ、様々なマイクロコントローラと容易に接続できます。
『ADS1258』ADCの主な特長
価格、パッケージ、供給について
『ADS1258』は現在量産出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。この製品は7 mm(ミリメートル)角の 48 ピン QFN パッケージで供給され、1,000個受注時の希望小売単価は8.95ドルです。EVM(評価モジュール)も供給中です。
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