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日本TI、超高速の過渡応答特性を提供する次世代のPoint-of-Loadパワー・モジュールを発表

2005年11月08日

~必要なコンデンサ容量を従来の8分の1に、基板実装面積を50% に削減する高性能パワー・コンバータ製品~

~必要なコンデンサ容量を従来の8分の1に、基板実装面積を50% に削減する 高性能パワー・コンバータ製品~

SCJPR-05-094 2005年11月8日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、超高速の過渡応答特性、回路実装に必要な出力コンデンサの大幅な削減などを提供する新しいテクノロジーを搭載した、非絶縁型プラグイン・パワー・モジュール製品ファミリ、『PTH08T2xxW』、『PTH05T210W』および『PTV08T250W』 (以下『T2』シリーズ)を発表しました。これらの製品は±1.5 %と精密な出力電圧範囲を持つPoint-of-Load(POL、負荷に接近して配置される分散型電源回路)のパワー・モジュールであり、先進のDSP (デジタル・シグナル・プロセッサ)、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレー)、ASIC(特定用途向けIC)、マイクロプロセッサなどを使用する3G(第三世代)のワイヤレス・インフラストラクチャ、ネットワーキングおよび通信システムなどのアプリケーションにおいて、より高い性能と、より小さい基板実装面積を提供します。本件に関する詳細は www.ti.com/sc05226 (英文)から参照できます。

TIのプラグイン・パワー・ビジネス、ディレクターのスティーブ・アンダーソン (Steve Anderson) は次のように述べています。「現代のハイエンド通信システムにおいては、より低いプロセッサ・コア電圧レベルの条件を満足しながらも、より高い機能を実現するため、電源の要求条件はますます複雑化しています。TIは、自社のアナログ製造および電源システムに関する専門知識ならびに将来のデジタル・シグナル・プロセッシングの電源要件に関する深い理解を活用し、このような設計上の困難に対応する最先端の新世代プラグイン・モジュールを一貫して供給し続けています」

今回発表された『T2』シリーズの製品は、TIのポピュラーな電源製品ラインアップである『PTH』シリーズを拡張するPOLモジュールであり、4.5 V (ボルト)~ 14 V と広い入力電圧範囲、最小 0.7 Vの出力電圧、それに最高 50 A(アンペア)の出力電流を提供する降圧型DC/DCコンバータで、IBA(中間バス・アーキテクチャ)のアプリケーションに最適です。これらの新型パワー・モジュールは数々の優れた特長を持ち、TIの従来品と比較して、電源ソリューションの基板実装面積を最高 50% 削減できます。

より高速の過渡応答と出力容量の削減を提供
TIの1 GHz 動作でワイヤレス基地局向けの新型DSPである『TMS320TCI6482』をはじめ、最先端のプロセッシング・プラットフォームで高いレベルのシステム動作を実現するためには、電源システムに超高速の過渡応答特性が必要となります。確実な過渡応答特性を実現するため、大多数の電源システムでは数千マイクロ・ファラッドのコンデンサを追加しなければなりません。より高い容量/体積効率を持つ高性能のコンデンサを用いた場合でも、その電源ソリューション全体の大きさは、追加したコンデンサのために電源単体よりもはるかに大きくなり、予定の実装面積に収まらず利用不可能になります。

『T2』シリーズの製品は、一個の外付け抵抗のみによって特定の負荷要求条件に対応して性能を劇的にチューニングできる、革新的な『TurboTrans™ 』テクノロジーを搭載しています。このテクノロジーによって、40%も低い出力電圧変動特性ならびに5~8分の1の出力コンデンサ容量で、最終的に高速の過渡応答特性を実現できます。さらに、超低ESR(等価直列抵抗)のポリマー・タンタル・コンデンサまたはセラミック・コンデンサを使用することによってシステムの安定度はさらに向上します。

性能とデザインの柔軟性を向上
『T2』シリーズの製品は『TurboTrans』テクノロジーのほかに、革新的な『SmartSync』機能も搭載しています。この機能によって複数の『T2』デバイスのスイッチング周波数を同期させ、電力変換効率の最大化とEMI(電磁干渉)の最小化を実現できます。また『SmartSync』機能と外付け回路によって、複数の『T2』モジュールを異なる位相角に同期させることができ、電源入力の負荷状態のバランスと入力容量の削減に役立ちます。

さらに『T2』シリーズのパワー・モジュールは、TIが特許を取得し、外付け回路なしで複数のモジュールの電源投入および切断シーケンスを制御できる『Auto-Track™ 』シーケンス・テクノロジーも搭載しています。このユニークな『Auto-Track』シーケンス機能は非絶縁型のパワー・モジュールを相互に、または他の外部制御電圧に追従させることができます。『T2』シリーズのパワー・モジュールは260 ℃ のリフロー・ハンダ付けの要求条件も満足するほか、先進のプリバイアス・スタートアップ機能も備えています。

『T2』シリーズのパワー・モジュールの主な特長

  • 出力電流: 表参照
  • 入力電圧範囲: 表参照
  • 出力電圧調整範囲: 表参照
  • 出力電圧の総合変動:
    • ±1.5 %(『PTH08T210W』、『PTH08T220W』)
    • ±3.0% (『PTV08T250W』)
  • 電力変換効率:
    • 最大 95 %(『PTV08T250W』)
    • 最大 96 %(『PTH08T210W』、『PTH08T220W』)
  • On/Off インヒビット機能
  • 差動出力センス
  • 出力過電流保護(ラッチなし、自動リセット)
  • 過熱保護
  • 出力プリバイアス状態のスタートアップが可能
  • プログラマブルのUVLO(電圧低下ロックアウト)
  • 電気製品保安規格:
    • UL/cUL 60950、EN 60950、 VDE (『PTV08T250W』)
    • UL 1950、CSA 22.2 950 、EN 60950 VDE(申請中)(『PTH08T210W』、『PTH08T220W』)
  • 動作温度範囲: -40 ℃~ +85℃
  • Point-Of-Load Alliance 互換製品(『PTH08T210W』、『PTH08T220W』)
  • 『TurboTrans™ 』テクノロジー
  • マルチ・フェーズ、スイッチ・モードの回路構成
  • 『Auto-Track™ 』シーケンス機能
  • アプリケーション:
    • 最先端のコンピュータ、サーバー機器など(『PTV08T250W』)
    • 複数の電源電圧、複数のプロセッサを搭載する複雑なシステム、マイクロプロセッサ、バス・ドライバなど(『PTH08T210W』、『PTH08T220W』)

価格、パッケージ、供給について
『T2』シリーズのパワー・モジュールは現在サンプル出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。1,000個受注時の単価は7.90ドルより設定されています。各モジュールの製品名、入力電圧範囲、出力電流、出力電圧調整範囲、1,000個受注時の単価は以下の通りです。『T2』シリーズ製品の評価モジュール、アプリケーション・ノート、TIのオンライン・パワー・マネジメント製品セレクション・ツールに関しては http://power.tij.co.jp (日本語) から参照できます。

型名 入力電圧範囲 出力電流 出力電圧調整範囲 価格*(ドル)
PTH08T230W 4.5 V ~ 14 V 6 A 0.7 V ~ 5.5 V 7.90
PTH08T240W 4.5 V ~ 14 V 10 A 0.7 V ~ 5.5 V 10.80
PTH08T220W 4.5 V ~ 14 V 16 A 0.7 V ~ 5.5 V 12.60
PTH08T210W 5.5 V ~ 14 V 30 A 0.7 V ~ 3.6 V 18.00
PTH05T210W 4.5 V ~ 5.5 V 30 A 0.7 V ~ 3.6 V 18.00
PTV08T250W 8 V ~ 14 V 50 A 0.8 V ~ 3.6 V 36.00


*1,000個受注時の単価

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