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日本TI、『OMAP 』アプリケーション・プロセッサおよび『XScaleR 』プロセッサ搭載のモバイル機器向けに新型パワー・マネジメントICを発表

2005年10月12日

~最高97%の変換効率、ダイナミック・ボルテージ・マネジメント機能を搭載、スイッチング周波数1.5 MHzのパワー・コンバージョン IC ~

~最高97%の変換効率、ダイナミック・ボルテージ・マネジメント機能を搭載、 スイッチング周波数1.5 MHzのパワー・コンバージョン IC ~

SCJPR-05-083 2005年10月12日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、『OMAP™ 』アプリケーション・プロセッサを搭載するモバイル・ハンドセットおよび『XScale® 』プロセッサを搭載するマルチメディア機器の厳しい電源要求条件をサポートする、高集積度の新型パワー・コンバージョンIC(集積回路)、『TPS65020』を発表しました。本件に関する詳細は http://www.ti.com/sc05209 (英文)から参照できます。

この『TPS65020』は多機能携帯電話、PDA、デジタル・スチル・カメラ、ポータブル・オーディオならびにメディア・プレーヤなどをはじめ、単一セルのLi-Ion(リチウム-イオン)バッテリを電源とし、複数の内部電圧で動作する通信機器およびマルチメディア機器のアプリケーションをサポートする高性能アナログ・ビルディング・ブロックを内蔵したパワー・マネジメント IC です。『TPS65020』は電力制御FETを内蔵する3個の同期整流降圧型DC/DCコンバータ、3個のLDO(低電位差)リニア・レギュレータ、それに高いプログラマビリティとコア電源電圧のダイナミック・ボルテージ・スケーリングを実現するI2C通信インターフェイスなどを含む数種類のパワー制御機能ビルディング・ブロックをワンチップに集積しています。

『TPS65020』に内蔵された3個のDC/DCコンバータは、『PXA270』、『OMAP1610』、『OMAP1710』などのマイクロプロセッサを搭載するシステムにおいてコア電圧、周辺回路、I/O、メモリなどの電源電圧を高効率で発生するよう設計されています。出力電流 1.2 A(アンペア)のDC/DCコンバータ (VDCDC1) は、システム電圧から最高 97% の効率で3.3 V(ボルト)出力を発生します。出力電流 1A のコンバータ (VDCDC2) は最高95%の効率でシステム・メモリ電源をサポートします。出力電流 800 mA(ミリアンペア)のコンバータ (VDCDC3) は最高90% の効率でプロセッサ・コアへの電源電圧を管理します。『TPS65020』のスイッチング周波数は1.5 MHz(メガヘルツ)と高く2.2 μH(マイクロヘンリー)のインダクタをはじめ小型の外付け部品を使用でき、基板実装スペースを削減できます。LDOレギュレータはPLL(フェーズ・ロックド・ループ)、RTC(リアルタイム・クロック)、SRAM(スタティックRAM)などの回路電源を供給します。また『TPS65020』の静的動作電流は85μA(マイクロアンペア)と低く、バッテリ電力の節約に役立ちます。

高いプログラマビリティと低消費電力を提供
『TPS65020』のDC/DCスイッチ・モード・コンバータは可能な限り広い負荷電流範囲において最高の変換効率を実現するため、負荷が軽い場合にはローパワー・モードとなり、バッテリ電力をさらに節約できます。また標準規格ならびに高速モードI2Cインターフェイスと互換性を持つシリアル・インターフェイスを搭載し、400 kHz(キロヘルツ)までのデータ伝送が可能です。このインターフェイスは、『TPS65020』が構成する電源ソリューションに柔軟性を提供すると共に、ダイナミック・ボルテージ・スケーリング機能を通して、システムの要求条件の変更に即時に対応できるプログラマビリティを実現します。

携帯機器のバッテリ寿命の延長に貢献するTIの高度な技術
TIはシステム内の3種類の重要分野において、電力特性と諸性能をさらに向上するため、革新的なアナログおよびデジタル・テクノロジーを継続して供給しています。その第一は、バッテリのインテリジェントな充電機能、およびバッテリの残量を正確に測定する進歩したバッテリ・マネジメント・テクノロジーです。第二は、バッテリからの電力をシステムが要求する複数の電圧に、可能な限り高い効率で変換するスイッチ・モードの電力変換回路です。そして第三は、バッテリ電力の使用を最適化するため、ソフトウェアで電源を適応的に制御するのと同時に、プロセッサ内部での消費電力を制御する、『SmartReflex™ 』テクノロジーです。これら3つのテクノロジーはシステムの電源および性能マネジメントに関するTIの進歩した技術です。

『TPS65020』の主な特長

  • 3回路の高効率降圧型コンバータを内蔵
    • システム電源電圧用の出力電流 1.2 A、効率 97% (最高値)の降圧型コンバータ (VDCDC1)
    • メモリ電圧用の出力電流 1 A、効率 95% の降圧型コンバータ (VDCDC2)
    • プロセッサ・コア電源用の出力電流 800 mA、効率 90% の降圧型コンバータ (VDCDC3)
  • RTC用の出力電流 20 mA のLDO/スイッチ回路 (VRTC)
  • SRAM および PLL 用の出力電流 50 mA の LDO を2回路搭載
  • プロセッサ・コア用のダイナミック・ボルテージ・マネジメント機能
  • リセット遅延時間を外部調整可能
  • バッテリ・バックアップ機能
  • インダクタンスを使用するコンバータ用に、独立したイネーブル・ピンを搭載
  • I2C互換のシリアル・インターフェイス
  • 静的動作電流: 85 μA
  • 低リップルのPFMモード
  • 過熱保護
  • プッシュ・ボタンI/O
  • 40 ピン QFN パッケージ(6 mm角)
  • 動作範囲: -40 ℃ ~ +85 ℃(工業用温度範囲)
  • アプリケーション: PDA、携帯電話/多機能携帯電話、インターネット・オーディオ・プレーヤー、デジタル・スチル・カメラ、デジタル・ラジオ・プレーヤー、DSPおよびマイクロプロセッサの電源回路など

供給、価格、パッケージについて
『TPS65020』パワー・マネジメントICは現在量産出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。この製品は高い信頼性を持つ40ピン、6 mm(ミリメートル)角のQFNパッケージで供給されます。1,000個受注時の希望小売単価は3.75ドルです。『TPS65020』の評価モジュール (EVM)も同時に提供されます。アプリケーション・ノート、TIのオンライン・パワー・マネジメント製品セレクション・ツールなどに関しては、 http://power.ti.com (英文)から参照できます。

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