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日本TI、バッテリ管理および電源管理の両機能をワンチップに集積した高機能パワー・マネジメント製品を発表

2005年09月20日

~通信機器およびマルチメディア機器において基板実装スペースの削減とバッテリ寿命の延長を実現~

~通信機器およびマルチメディア機器において 基板実装スペースの削減とバッテリ寿命の延長を実現~

SCJPR-05-078 2005年9月20日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、バッテリ・マネジメントを行うスマート・チャージ機能と、それに必要なすべてのパワー・トランジスタをワンチップに集積した高性能パワー・コンバージョンIC(集積回路)、『TPS65800』を発表しました。『TPS65800』は個別構成のソリューションと比較して最高70%もの基板スペースを削減すると同時に、高いDC/DC変換効率を提供し、多機能携帯電話、ポータブル・オーディオやメディア・プレーヤ、衛星無線およびGPS(全地球測位)システムなどをはじめとする、1セルのLi-Ion(リチウム-イオン)バッテリを電源とし、複数の内部電圧で動作する通信機器およびマルチメディア機器に最適です。本件に関する詳細は www.ti.com/sc05190 (英文)から参照できます。

TIのハイパフォーマンス・アナログ事業部担当でシニア・バイス・プレジデントのグレッグ・ロウ (Gregg Lowe) は次のように述べています。「モバイル機器業界のお客様は継続して、より小型のデザインで、より長いバッテリ寿命を保ちながら、より高い機能を要求しています。アナログ製品製造分野で業界をリードするTIは、モバイル機器業界ならびにエレクトロニクス業界のお客様の厳しい電源要件を満たすと共に、機器の動作時間延長に役立つ高性能ビルディング・ブロックを集積した製品を実現するのに、最も優位な立場にあります」

今回発表されたTIの『TPS65800』パワー・マネジメントICは、2個のFETスイッチ内蔵同期整流降圧型DC/DCコンバータと、白色LEDバックライト用の昇圧型DC/DCコンバータ、RGB LED(赤、緑、青の発光ダイオード)用ドライバ、7個のLDO(低電位差)リニア・レギュレータ、高性能のADC(アナログ-デジタル・コンバータ)、SIMカードおよびRTC(リアルタイム・クロック)用電源、高いプログラマビリティを実現するI2C通信インターフェイスなどを含む数種類のパワー制御機能ビルディング・ブロックをワンチップに集積しています。さらに、これらの安定化電源ブロックのほか、Li-Ionバッテリ向けに、TIが特許を取得したリニア・チャージ・テクノロジーとシステムへのパワー・パス・マネジメント・テクノロジーならびに、オンチップの充電制御FETも内蔵しています。

高いDC/DC変換効率を実現
『TPS65800』に内蔵されたスイッチ・モードのDC/DCコンバータは、限られたバッテリ電源を節約するため、負荷が軽い場合にはPFM(パルス周波数変調)を使用する事により、広い負荷範囲に渡って90%を越える高い変換効率を提供します。また、2個の降圧型コンバータは、コアおよびI/O(入出力)電源の要求条件を満たす最高600 mA(ミリアンペア)の出力電流を提供します。またブースト・コンバータは最高6個までの直列接続の白色LEDを駆動できます。7個のLDO電圧レギュレータのうち3個は、RF回路およびオーディオ回路の電源向けに、低雑音と高いPSRR(電源除去比)を提供します。その他のレギュレータは、ワイヤレス・システムで使用されるSIMデータ・カードならびに、RTCのバックアップ電源に必要な電圧を供給します。

スマートな充電管理機能
『TPS65800』は、動的なパワー・パス・マネジメント機能を持ち、システムに電源電力を供給しながら、USBまたはAC/DC電源アダプターから1セルのLi-Ionバッテリへの充電が可能です。この機能には電力制御部品の外付けは必要ありません。この機能によって、バッテリの充放電サイクルを削減でき、充電の正しい終了ならびに、バッテリパックの取り外し時またはバッテリ故障時にもシステム動作を実現します。さらに、このシステムはバッテリパックが深放電状態となっている場合でも即座に外部電源による電力供給への切り替えが可能です。

高いプログラマビリティによって柔軟性を提供
『TPS65800』は高速モードのI2C標準インターフェイスと互換のシリアル・インターフェイスを搭載し、400 kHz(キロヘルツ)までのデータ伝送が可能です。このインターフェイスは電源ソリューションに柔軟性を提供し、充電システムの要求条件に即時に対応できるプログラマビリティを実現します。またバッテリ監視に使用できる10ビットのA/Dコンバータも内蔵しています。さらにプログラマブルの3個の汎用I/Oチャネルは、システムのその他の機能の制御に使用できます。

限られたバッテリ電力を高効率で使用する『TPS65800』
バッテリ寿命およびシステムの動作時間をさらに延長するため、TIはシステム内の3種類の重要分野に着目しました。第一は、バッテリのインテリジェントな充電機能、および残量を正確に測定する進歩したバッテリ・マネジメント・テクノロジーです。第二は、バッテリからの電力をシステムが要求する複数の電圧に、可能な限り高い効率で変換するスイッチ・モードの電力変換回路です。そして第三は、バッテリ電力の使用を最適化するため、ソフトウェアで電源を適切に制御するのと同時に、プロセッサ内部での消費電力を制御する、『SmartReflex™』テクノロジーなど、システムの電源および性能マネジメントに関するTIの進歩した技術です。

供給、価格、パッケージについて
『TPS65800』パワー・マネジメントICは現在サンプル出荷中で、量産出荷は2005年内に予定され、TIおよび販売特約店から供給されます。この製品は56ピン、8 mm(ミリメートル)角のQFNパッケージで供給されます。1,000個受注時の希望小売単価は6.50ドルです。『TPS65800』の評価モジュール (EVM)も同時に提供されます。アプリケーション・ノート、TIのオンライン・パワー・マネジメント製品セレクション・ツールなどに関しては、http://power.ti.com (英文)から参照できます。

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