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日本TI、精密測定機器に向けた16ビット、10 MSPS のデルタ-シグマ型 ADC を発表

2005年08月30日

~同等製品の4倍の変換レートで 86 dB の SNR と 95 dB の SFDR を実現~

~同等製品の4倍の変換レートで 86 dB の SNR と 95 dB の SFDR を実現~

SCJPR-05-070 2005年8月30日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、分解能 16 ビット、データ・レート10 MSPS(メガサンプル/秒)のデルタ-シグマ型 ADC (アナログ-デジタル・コンバータ)製品、『ADS1610』を発表しました。『ADS1610』は 5 MHz(メガヘルツ)の入力帯域全体に渡って 86 dB(デシベル)のSNR (信号-雑音比)ならびに 95 dBのSFDR(スプリアス・フリー・ダイナミック・レンジ)を提供し、同等製品の4倍、および TIの従来のデルタ-シグマ型ソリューションの2倍のデータ・レートにおいて優れた性能を実現します。『ADS1610』は通信、科学分析機器、試験・測定機器をはじめとする様々な高性能を要求する測定機器に最適です。本件に関する詳細は http://www.tij.co.jp/mcudetail/ads1610.html (日本語)から参照できます。

TIのハイパフォーマンス・アナログ・ビジネス担当でシニア・バイス・プレジデントのグレッグ・ロウ (Greff Lowe) は次のように述べています。「TIは高性能データ・コンバータに関する専門知識を活用し、データ・レートと精度の限界をさらに押し上げました。この画期的な ADC は業界最高の性能を誇る TI のデルタ-シグマ型ADC 製品のポートフォリオを拡張すると共に、お客様の最も高性能を要求する各種アプリケーションに飛躍的な高速性能を提供します」

『ADS1610』が提供する 10 MSPS の高速変換動作は、高いサンプリング・レートを必要とする高精度アプリケーションに最適です。さらに『ADS1610』の 86 dB の SNR、95 dB の SFDR、-94 dB の THD (全高調波歪み)は、より高精度の信号測定を必要とする高速アプリケーションにも最適です。

『ADS1610』は 4.4 MHz の通過帯域において0.0002 dBという平坦な帯域内リップル特性を備え、広帯域の信号処理を提供します。またオンチップのデジタル・フィルタによって、SAR(逐次比較型)およびパイプライン型のコンバータに比較して、アンチ・エイリアス回路に関する要求条件を軽減できます。『ADS1610』は +5 V(ボルト)のアナログ電源および +3 Vのデジタル電源で動作します。

『ADS1610』はTIの高性能 DSP (デジタル・シグナル・プロセッサ)プラットフォームである『TMS320™』との組み合わせ動作に最適化されています。さらにTIでは『THS4503』および『THS4509』をはじめとする『ADS1610』のアナログ入力の駆動に適した広範囲の広帯域アンプのポートフォリオも供給しています。

『ADS1610』はTIが先に発表した『ADS1605』(16ビット、 5 MSPS ADC)および、『ADS1625』(18ビット、1.25 MSPS ADC)とピン互換性を備えており、これらの製品からのアップグレードが容易です。

『ADS1610』デルタ-シグマ型ADCの主な特長

  • 分解能: 16 ビット
  • 最高データ・レート: 10 MSPS
  • SNR: 86 dB、SFDR: 95 dB、 THD: -94 dB
  • 帯域内リップル: 0.0002 dB (帯域幅 4.4 MHz)
  • 差動入力電圧範囲: ±3 V
  • アナログ電源電圧: +5 V
  • デジタル電源電圧: +3 V
  • 消費電力: 1 W
  • パッケージ: 64ピン TQFP
  • アプリケーション: 通信、科学分析機器、試験・測定機器など

供給、価格、パッケージについて
現在、『ADS1610』ADC はサンプル出荷中で、量産出荷は 2005 年第3四半期に予定されています。パッケージは 64 ピン TQFP で、1,000個受注時の希望小売単価は3,900円です。評価モジュール (EVM) も供給中です。

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