2005年06月27日
~超低位相雑音、超低ジッタの高速クロックをデータ・コンバータに供給~
SCJPR-05-053 2005年6月27日
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、ジッタ低減機能を内蔵し、超低位相雑音および超低ジッタを実現した高性能クロック・シンセサイザ、『CDCM7005』を発表しました。この製品は2.5 G/3 Gのワイヤレス基地局、データ通信、医療用画像機器、試験装置・計測器などのアプリケーションにおいて、高性能かつ設計の自由度を上げるという要求に対応します。
『CDCM7005』はA/Dコンバータ(ADC)、D/Aコンバータ(DAC)、デジタル・アップコンバータ(DUC)、デジタル・ダウンコンバータ(DDC)などのシグナル・チェーンのデバイスに、極めて精度の高い安定したシステム・クロックを供給します。PLL (フェイズ・ロック・ループ)の性能を表す指標である位相雑音特性は、業界最高レベルの -219 dBc/Hz(ディービーシー/ヘルツ)を実現。さらに 162 fs(フェムト秒、LVPECL)および232 fs(LVCMOS)の超低ジッタ特性と、最大出力スキュー20 ps(ピコ秒)を実現しています。『CDCM7005』はデータ・コンバータ製品において、高精度の高速クロックにより、部品性能を最大限に生かすSNR(信号-ノイズ比)を実現します。
『CDCM7005』は、SPI(シリアル・ペリフェラル・インターフェイス)を採用することにより、プログラミングおよび個別機能の制御に関して設計の自由度を大幅に高めています。このデバイスは選択されたリファレンス入力に、最高 1.3 GHz(ギガヘルツ)までの周波数のVCXO(電圧制御水晶発振器)を同期させ、アプリケーションに必要な低位相雑音と低ジッタの高速なクロックを生成します。クロック出力の分周比は1、/2、/3、/4、/6、/8、/16から設定可能です。また出力レベルはLVCMOSとLVPECLの選択ができます。
また『CDCM7005』は、シングルエンドのVCXO用のバイアス電圧(VBB)を供給できます。この機能により、シングルエンドのVCXOを採用する際の外付け部品を削減でき、設計の簡素化に役立ちます。さらに装置の二重化、冗長化に対応するために周波数のホールド・オーバー機能(リファレンス入力が止まった時に直前の周波数を維持する機能)、および高速同期機能(同期外れの状態から高速にPLLの同期を行なう機能)等を選択することも可能です。
供給、パッケージ、価格について
現在、『CDCM7005』は出荷中で、TIおよび販売特約店から供給されます。動作温度範囲は工業用温度範囲(-40 ℃ ~ 85 ℃) です。このデバイスは 64ピン、0.8 mm(ミリメートル)ピッチBGA(ボール・グリッド・アレー)または 48ピン、0.5 mmピッチQFN(クワド・フラット・ノーリード)パッケージで供給されます。1,000個受注時の希望小売単価は10.75ドルです。評価ボードも提供中です。
ワイヤレス・インフラストラクチャ・アプリケーション向けに最適化されたTIのアナログ製品およびDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ) 製品は、基地局OEM各社向けの業界で最も包括的なシグナル・チェーン・ソリューションで構成されています。今回発表された低位相雑音クロック・シンセサイザ/ジッタ低減デバイスである『CDCM7005』のほか、TIは16ビット、500 MSPS(百万サンプル/秒)の低雑音、デュアルDACである『DAC5687』ならびに『TMS320TCI6482』DSPをはじめとする高性能アナログ製品およびDSP製品も提供しています。基地局機器OEM 大手10社のうち、9社がTIのテクノロジーを採用しています。
『CDCM7005』の主な特長
アプリケーション
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