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TIとエンバー社、消費電力が世界最小のZigBeeチップセット・ソリューションを提供

2005年06月16日

~TIのシグナル・チェーン・オンチップ・マイコンMSP430が無線センサー・ネットワークのコストを低減、設計時間を短縮~

~TIのシグナル・チェーン・オンチップ・マイコンMSP430が 無線センサー・ネットワークのコストを低減、設計時間を短縮~

SCJPR-05-052 2005年6月16日

テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)本日、エンバー・コーポレーション(Ember Corporation)との協力により、消費電力を世界最小に抑えたZigBee™ ネットワークとマイクロ・コントローラ(MCU)のプラットフォームを発表しました。標準化規格に基づくワイヤレス技術であるZigBeeは、家庭内制御・認識システム、ビルディング・オートメーション、産業用オートメーション、資産管理から国防にいたるまで、遠隔モニタや検知・制御関連のネットワーク・アプリケーションに特有のニーズに応えるものです。エンバー社は、最小限の電力消費でZigBeeアプリケーションを構築しようとする開発者に向けて、同社の802.15.4/ZigBee対応半導体プラットフォーム製品である「EM2420」とTIの超低消費電力MCU『MSP430F161x』シリーズを組み合わせました。また、TIのMCU『MSP430』プラットフォームは、15日よりノルウェーのオスロで開催されたイベント「Zigbee Open House」で公開されたエンバー社の次世代「EM260™」ネットワークプロセッサーをサポートします。

新しいデュアルチップ・ネットワークのモジュールには、MCU『MSP430』、無線およびZigBeeソフトウェア・プラットフォームが含まれます。ZigBee/802.15.4によるワイヤレスの検知・制御アプリケーション市場は成長しつつあり、今回発表された新モジュールによってOEMメーカがこの市場に参入することが期待されます。デバイスの占有面積や部品コスト(BOM)の削減に寄与するMCU製品である『MSP430F161x』シリーズは、高性能アナログ、最大55KBのフラッシュメモリなど全てのペリフェラルを集積し、EEPROMを不要にします。またこのデバイスは、12ビット/200ksps(キロサンプル/秒)の性能を持つA-Dコンバータ、セトリング時間が1μS(マイクロ秒)の12ビット D-Aコンバータなど、高精度の制御ペリフェラル群をオンチップに集積しています。

エンバー社のマーケティング担当副社長であるヴェンカット・バール(Venkat Bahl)は次のように述べています。「『MSP430F161x』MCUシリーズとエンバー社のプラットフォームは理想的な組み合わせです。DMA(ダイナミック・メモリ・アクセス)やD-Aコンバータ、A-Dコンバータなどのペリフェラル群を高度に集積させており、これらによって高性能ながら非常に低い電力消費を実現しているからです。両社の製品を組み合わせたソリューションは、活況を呈するZigBee市場に参入する上で、OEMメーカが必要とする全てのニーズ(超低消費電力や低コスト、シンプルなプログラミングとデバッギング、市場投入期間の短縮など)を提供します」

超低消費電力、処理性能の最適化および相互運用性を実現する理想的なソリューション
『MSP430F161x』MCUシリーズは、リアルタイム・クロック動作で待機時わずか1.3μA(マイクロアンペア)、アクティブ時330μA(1MHz)の、業界最小レベルの消費電力を実現し、エンジニアがシステム・クロック動作を、緻密な電力消費量のニーズにあわせて微調整することを可能にします。最新の16ビットRISC CPUが可能にする高速な命令実行と、完全同期の高速システム・クロックによる待機モードからの6μs以下での起動によって、チップ全体の電力消費は競合製品の10分の1となります。DMAコントローラは、あるメモリからもう一つのメモリへのデータ移動をCPUの干渉なしに実現するため、CPUが要する消費電力も最小限に抑えられます。また、このデバイスは5つの低電力モード、ゼロパワーBOR(ブラウンアウト・リセット)機能などの柔軟なクロックシステムを搭載します。詳細についてはTIの超低消費電力MCU『MSP430』プラットフォームのウェブサイトをご参照ください。 www.ti.com/msp430

2.4GHzのエンバー社製『EM2420』は、同程度の他製品と比較して非常に高性能で電力効率に優れた無線トランシーバであり、幅広い種類のマイクロコントローラに向けて柔軟性の高い、シンプルなインタフェースを提供します。新製品「EM260」は、TIまたは他社のMCUプラットフォームを標準採用しているOEM向けのZigBeeワイヤレス・ネットワーク・プロセッサです。このプロセッサは初めてZigBee対応のネットワーク・ノードを「ロケーション・アウェアネス」機能で実現し、ネットワーク上の割り当てや管理、サブ・セグメンテーションが容易になります。また「EM260」は、他のZigBee製品と比較して、非常に高いRFアウトプット、電力消費のRxセンシティビティを提供します。エンバー社のZigBeeソリューションの詳細については、同社のウェブサイトをご参照ください。
http://www.ember.com/products/index.html

超低消費電力のZigBee設計を直ちに行える開発ボードを提供
エンバー社の開発キットである「エンバーネット・ディベロッパー・キット(EmberNet Developer Kit)」には、ハードウェア、開発ツール、組み込みアプリケーション向けソフトウェア等、エンバー社とTIの製品を用いてインテリジェントで、堅牢かつ分散化されたデバイス・ネットワークを構築するのに必要な全てが含まれています。このキットは既に発売中で、エンバー社のウェブサイト www.ember.com/products/buynow.html から、「ジャンプスタートキット(JumbStart Kit)」が4,995ドル、「フル・ディベロッパー・キット(Full Developer Kit)」は13,950ドルで購入できます。

ZigBeeについて
ZigBeeアライアンスは、オープンかつグローバルな標準規格に基づき、信頼性が高く、コスト効率に優れ、消費電力の低い、ワイヤレス・ネットワークの監視・制御製品群を実現しようとする企業の連合体です。ZigBeeアライアンスは急速に成長しつつある非営利の業界コンソーシアムであり、世界各国から、業界をリードする半導体メーカ、テクノロジー・プロバイダ、OEM、エンドユーザなどが加盟しています。参加資格は広く公開されています。詳細についてはZigBeeアライアンスのウェブサイト www.zigbee.org をご参照ください。

幅広いコントローラ製品を革新するTI
超低消費電力の『MSP430』のMCUから、高性能DSP『TMS320C2000™』まで、TIは設計者に幅広い組み込み制御ソリューションの製品群を提供します。設計者はまた、ソフトウェアとハードウェアから成るTIの包括的なツール群やサード・パーティ、テクニカルサポートなどを活用することよって、設計から市場化までに要する時間を短縮できます。TIのコントローラ製品の幅広いラインアップについては、同社のウェブサイトをご参照ください。 www.ti.com/mcu

エンバー・コーポレーションについて
エンバー・コーポレーションはZigBee対応のワイヤレス半導体ソリューションを開発し、家庭内のオートメーションや、ビルのエネルギー消費の低減、工場の操業停止の最小化、国防やインフラの保安・保全に寄与しています。120以上の顧客を有するエンバー社のビジョンは、年80億個のマイクロコントローラが最終製品に組み込まれ、低コスト、低消費電力のネットワーキング・アプリケーションをあらゆる産業に向けて出荷することで、「Internet of things(あらゆる物のネット化)」を促進することです。米国ボストンに本社を置き、ディストリビュータは世界各国にわたります。同社はZigBeeアライアンスのリード・プロモータであり、同社のプラットフォームは、802.15.6/ZigBee相互運用テストにおいて、NTS (ナショナル・テクニカル・システムズ)の「ゴールデン・スイート」に選定されています。詳細については www.ember.com をご参照ください。

※TMS320C2000はTIの商標です。全ての商標ならびに登録商標は、所有者に帰属します。