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ニュースリリース

TIとラジオスケープ社、デジタル・ラジオ・モンディエール (DRM)標準規格に準拠した初の商用製品向けICチップおよびモジュール製品を供給

2005年06月07日

~DABおよびDRMをサポートし、 コスト効率に優れたレシーバの開発を加速するモジュール製品~

SCJPR-05-047 2005年6月7日

テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)とRadioSpape® Ltd.(本社: 英国 ロンドン、CEO: ジョン・ホール、以下 ラジオスケープ社)はそれぞれ、デジタル・ラジオ・モンディエール (以下DRM)標準規格に準拠した世界初の商用製品向けICチップおよびモジュール製品を発表します。これによってTIはDRMならびにデジタル・オーディオ・ブロードキャスト(以下DAB)のいずれの標準規格もサポートするデジタル・ベースバンドIC『TMS320DRM3xx』2品種を世界に先駆けて発表することとなります。いっぽうラジオスケープ社は革新的なソフトウェア構成のデジタル・ラジオ方式を使用し、DRMのみならずDAB、FM-RDS*、アナログAM(振幅変調方式)などの標準規格までサポートするモジュールを発表します。両社のモジュール方式によって、製造各社は複数の標準規格に対応するレシーバの開発および展開を迅速に実現できます。

*注: FM-RDS: FM(周波数変調方式)放送にデジタル・データを多重化し、各種のサービスを行うFM多重放送方式。

今回TIが発表した『TMS320DRM3xx』ファミリは、TIの革新的なデジタル・シグナル・プロセッサ(以下DSP)テクノロジーとラジオスケープ社のユニークなソフトウェア構成のデジタル・ラジオ方式に基づいています。『DRM300』はDRM標準規格をサポートし、一方『DRM350』はDRMとDABの二つの標準規格をワンチップでサポートします。開発各社は『DRM350』の使用によって、DRM/DABベースのコスト効率の高いデバイスをワンチップで実現できます。プログラマブルDSPアーキテクチャに基づく『DRM300』および『DRM350』によって、開発各社は最終製品の新規機能、モデルのカスタマイズおよび変更などに容易に対応できるとともに、時間と費用の掛かるハードウェアの変更を回避できます。さらにこのアーキテクチャの柔軟性により、将来的にMP3やWindows Media Audio(以下WMA)をはじめとするデジタル・コンテンツの再生のサポートにも対応が可能です。

ラジオスケープ社が供給するモジュールは、TIの『DRM300』および『DRM350』を基にFM-RDSおよびAMの両方式をソフトウェアでサポートします。その最初の製品の一つである『RS500』モジュールは、DRM、DAB、FM-RDS、AMの各方式のあらゆる組み合わせをサポートするレシーバ製品の設計と構成に必要な、すべてのハードウェアおよびソフトウェアを供給します。これによって製造各社は製品の開発時間および資源を大幅に削減できます。さらにこれらのモジュールにより、製造各社は卓上用ラジオ、ラジオ付きポータブル機器、マイクロ・ハイファイ機器およびチューナなど、複数の標準規格に対応するレシーバの開発を直ちに開始できます。

デジタル・ラジオ・モンディエール (DRM) について
DRMは短波、中波、長波の各AM(振幅変調)方式の放送帯向けの、唯一のユニバーサルで、非占有的なデジタル・ラジオ・システムです。既存のAM放送局の多くは、放送設備の軽微、安価な変更によってDRM信号の放送向けにアップグレードできます。また一本の放送タワーで広大な地域に向けた放送が実現するため、聴取者は同一の放送局からFM放送に近い音質で受信できます。現在欧米では、毎日あるいは毎週のプログラムや特別番組といったかたちで、商業放送、国際放送をはじめ国内ラジオ網、ローカルのラジオ局など民間、国営を含め数多くの放送事業者がDRM放送を開始しています。新型のラジオではDABとDRMの両方の機能を内蔵することによって、デジタル放送局やサービスの選択肢が拡がり、放送事業者は世界のあらゆる地域における新しいリスナーに革新的なデジタル・サービスを提供できます。

価格と供給について
『DRM300』および『DRM350』の1,000個以下の受注時のサンプル価格は18ドルより設定されています。これらの製品の量産出荷は2005年第3四半期に予定されています。ラジオスケープ社のDRMモジュールの出荷は同じく2005年第3四半期に予定されています。

ラジオスケープ社について
ラジオスケープ社は、業務用放送装置から消費者向けレシーバまでエンド・ツー・エンドのデジタル・ラジオ放送向けソリューションを供給する世界で唯一の開発会社であり、システムに関する経験と知識において他に引けをとらず、どの段階においてもお客様に最高のレベルの品質、頑強性、受信性能を提供しています。同社のデジタル・ラジオ放送機器は、現在最もDABが普及している英国の商用DABネットワークをはじめ、世界中で広く使用されています。

ラジオスケープ社の革新的なソフトウェア構成方式により、世界中の主要な消費者向けエレクトロニクス製造各社の多くに同社のDABレシーバ・モジュールが採用されています。同社はDABおよびDMB(デジタル・マルチメディア放送)テクノロジー分野におけるリーダーの地位を確保しています。また同社は最近、複数の標準規格に対応する真のデジタル・レシーバを実現できるDRM機能を開発中であると発表しました。

ラジオスケープ社は1996年に設立され、同社への出資者にはアトラス・ベンチャー社、ロイヤル・バンク・ベンチャーズ社、スコティッシュ・エクィティー・パートナーズ社、JAFCO社、テキサス・インスツルメンツ、安田企業投資株式会社、アイグローブ・パートナーズ社、サイオン社、NTL社などがあります。ラジオスケープ社は、英国、ロンドンに本拠を置き、シンガポールおよび香港に支社を設置しています。詳細に関しては http://www.radioscape.com (英文)から参照できます。