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日本TI、コア性能の向上とI/O帯域を2倍から12倍に拡張した新型『TMS320C6455』DSPを発表

2005年05月17日

~ビデオ、通信、イメージング・インフラストラクチャ向けにSerial RapidIOと2MBメモリを提供~

~ビデオ、通信、イメージング・インフラストラクチャ向けに Serial RapidIO™と2MBメモリを提供~

SCJPR-05-042 2005年5月17日

日本テキサス・インスツルメンツ株式会社(本社:東京都新宿区、社長:山崎 俊行、略称:日本TI)は本日、性能の向上、コードサイズの削減、オンチップ・メモリの増大、広帯域統合ペリフェラル(プロセッサ間通信用Serial RapidIO™=SRIO等)を提供する『TMS320C6455』DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)を発表しました。コア性能の向上とI/O帯域を2倍から12倍に拡張した『C6455』DSPを採用することにより、通信、ネットワーク、ビデオ・インフラストラクチャ機器やハイエンドのイメージング・システムは、そのシステム性能を向上し、これまで以上の広帯域チャンネルの統合やイメージ解像度の向上が可能になります。また、高効率ソフトウェアの作成がさらに容易になるので、市場投入期間を短縮できます。本件に関する詳細は、www.ti.com/c6455dsppr (英文)から参照できます。

高データ帯域アーキテクチャ
『C6455』DSPは現行の1GHz『C64x™』DSPに以下の新機能とペリフェラルを追加しました。また『TMS320C64x™』デバイスと100パーセントのコード互換性を確保しています。

  • Serial RapidIO™:最大25Gbps(ギガビット/秒)の相互接続速度によって高性能のマルチ・プロセッシングを実現(従来の外部メモリ・インターフェイスよりも12倍高速)
  • Gigabit Ethernet MAC(メモリ・アクセス・コントローラ):これまでの『C64x』デバイスと比較して10倍のイーサネット帯域幅を保持
  • DDR2(ダブル・データ・レート)外部メモリ・インターフェイス:スループットが2倍に向上
  • 66MHz PCI(ペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト)バス・インターフェイス:周波数が2倍に向上
  • 2MBのL2メモリ:これまでのデバイスと比較して容量が2倍に

HDビデオと通信インフラストラクチャにさらなる帯域をもたらすSerial RapidIO™
『C6455』DSPに統合された業界標準SRIOバスを使用することより、スイッチングとプロセッサ・アグリゲーションに用いる追加デバイスが不要となるため、トータル・システム・コストを削減できます。SRIO相互接続は、デバイス、システム、ソフトウェアの有力企業によってサポートされており、高速のパケット交換ピア・ツー・ピア接続を可能にするものです。そうした特質を備えるSRIOは、マルチ・プロセシングの実装をはるかに容易にし、マルチ・プロセッサを用いたマルチ・チャンネル実装によって性能の画期的な向上をもたらします。ビデオ・インフラストラクチャ・アプリケーションの場合、高品位(HD)1080iビデオをデバイス間でやりとりするのに1Xリンクで十分であり、4Xリンクであれば帯域に余裕をもって1080p HDビデオに対応できます。多数の「DSPファーム」とともにインフラストラクチャ・アプリケーション内でSRIOを使用することにより、機器メーカはシステム・コスト(デバイス数、基板面積、デバイス・コスト)の削減を図ることが可能になります。

新型『C64x+』コア:性能の向上、コードサイズの削減、既存コアと100%コード互換
『C6455』DSPが採用する『C64x+』DSPコアは、特別なインストラクションによって強化されており、TIの現在の『C64x』アーキテクチャのコードと比較して、平均20パーセントから30パーセント程度コードをコンパクトにし、サイクル効率を20パーセント向上させています。新たなインストラクションとしては、複素数演算と32ビット・データの乗算、並列add/sub命令が含まれ、FFT(高速フーリエ変換)とDCT(離散コサイン変換)演算性能を高めます。同コアは、現行の『C64x』コアの2倍となる、1サイクルあたり8個の16×16の積和演算命令を実行可能です。この新型『C64x+』命令セットは、『C64x』インストラクションのスーパーセットであるため、新デバイスのコードは既存の『C64x』DSPのコードと100パーセントの互換性を有します。そのため顧客メーカは、これまでのソフトウェア投資を最大限に活かしながら、新製品である『C6455』DSPを直ちに採用できます。

包括的なサポートで開発の迅速化を実現
TIの『Code Composer Studio™』統合開発環境(IDE)は、業界最先端のCコンパイラやコードチューニング開発ツールが含まれる、業界で最も包括的かつ使い易いDSP IDEです。業界で最も強力なDSPサードパーティー・ネットワークが提供するビデオ会議、音声/ビデオ・ゲートウェイ、メディアサーバ、先進のCTI(Computer Telephony Integration)メッセージング等のアルゴリズムによって、開発の簡素化と市場投入時間の短縮を実現します。『C64x+』DSPは、これまでの『C64x』DSPと100パーセントのコード互換性を確保し、IDEによりCコンパイラ、アセンブラ、リンカ、シミュレータを利用できるため、顧客メーカは直ちに開発に着手できます。

供給、パッケージ、価格について
TIは、先進の90nm CMOSプロセスを採用した1GHz、850MHz、720MHzの『TMS320C6455』DSPを供給する予定です。サンプル製品は2005年6月27日より受注を開始し、2005年第3四半期に出荷を予定しています。量産製品出荷は2006年第2四半期を予定します。パッケージは、鉛(Pb)フリー対応の697ピン24mm(ミリメートル)角のBGA(ボール・グリッド・アレー)です。10,000個受注時の1個あたりの価格は、1GHz製品が259ドル、850MHz製品が219ドル、720MHz製品が179ドルを予定しています。

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