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ニュースリリース

日本TI、精密測定機器に最適な高速、低消費電力の16ビット、デルタ・シグマ型 ADCを発表

2005年04月14日

SCJPR-05-035 2005年4月14日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎 俊行、略称:日本TI)は本日、バー・ブラウン製品ラインアップから、業界最高の性能を誇るデルタ-シグマ型データ・コンバータ製品のポートフォリオをさらに拡張する高速、高精度の 16ビットADC(アナログ-デジタル・コンバータ)製品、『ADS1601』および『ADS1602』を発表しました。これらの新型ADCは高い直線性の高速変換動作に最適化されており、科学分析機器、自動検査装置、データ・アクイジション、医療用画像処理、振動解析をはじめとした高性能を要求する精密測定機器全般に最適です。本件に関する詳細は www.ti.com/sc05087 (英文)から参照できます。

『ADS1602』は内蔵のモジュレータによって40 MHz(メガヘルツ)のクロック・レートで入力信号のサンプリングを行い、モジュレータ出力をデジタル・フィルタによって16分の1にデシメーション(データの間引き)を行い、高分解能の16ビット・データを作成して2.5 MSPS(メガサンプル/秒)のデータ・レートでシリアル・インターフェイス経由で出力します。ダイナミック性能は1.23 MHzの通過帯域全体に渡って優れ、THD(全高調波歪み)は-101 dB(デシベル)未満、103 dBを越えるSFDR(スプリアス・フリー・ダイナミック・レンジ)ならびに91 dBを越えるSNR(信号-雑音比)を提供します。

『ADS1601』は『ADS1602』と同一の進歩したアーキテクチャを使用した製品で、より低いデータ・レートならびに、より低消費電力のアプリケーションに最適化されています。『ADS1601』のデータ・レートは1.25 MSPS、消費電力は 330 mW(ミリワット)、THDは-103 dB、SFDRは 105 dB、SNRは92 dBと、他に例のない高速性能を提供します。また『ADS1601』は『ADS1602』との間にはピン互換性を備えています。

TIのオーバー・サンプリング・データ・コンバータ製品担当のストラテジック・マーケティング・エンジニアのデビッド・ラッセル (David Russell) は次のように述べています。「『ADS1601』と『ADS1602』は使いやすさと、同種の16ビット・デバイスよりも高いSNR、SFDR、THD性能と共に、より容易な性能のアップグレード経路をお客様に提供します。さらに、これらのデバイスは、このような性能レベルの製品分野において最小のパッケージと最少の消費電力特性も提供します」

『ADS1601』と『ADS1602』が提供する高性能と製品価値は、以下に示すTIの最先端のデルタ-シグマ方式のデータ・コンバータ製品のポートフォリオを元に構築されています。

  • 『ADS1605』『ADS1606』:業界最高速の16ビット、デルタ-シグマADC (5 MSPS)

  • 『ADS1625』『ADS1626』:業界最高速の18ビット、デルタ-シグマADC (1.25 MSPS)

  • 『ADS1256』:クラス最高の低雑音性能および高速動作の24ビット、デルタ-シグマADC

  • 『ADS1271』:DC精度とAC性能を兼ね備えた業界で最も広帯域の24ビット工業用ADC

技術情報
『ADS1601』と『ADS1602』は高い周波数で大きな振幅の信号をサンプリングする場合のクロック・ジッタ感度を、通常のナイキスト周波数までのサンプリング・レートのADCの4分の1に減少させるオーバーサンプリング方式を使用しています。差動入力範囲のフルスケールは 3 V(ボルト)と広く、過大入力の可能性が低くなります。またオンチップのデシメーション・フィルタの阻止帯域は『ADS1602』が38.6 MHz、『ADS1601』が19.3 MHzと広く、アンチエイリアシング回路を大幅に簡素化できます。『ADS1602』に内蔵のモジュレータは入力信号を最高40 MSPS(『ADS1601』は20 MSPS)でサンプリングします。16分の1のデシメーション・フィルタには直列接続された4個のハーフバンドFIRフィルタを使用し、75 dBの阻止帯域減衰量および0.001 dBの帯域内リップル特性を提供します。

-3 dB帯域幅は『ADS1602』が1.23 MHz、『ADS1601』が 615 kHz(キロヘルツ)であり、変換データは簡素な3線シリアル・インターフェイス経由で出力されます。出力データまたは2の補数形式のデータはTIの『TMS320™ 』ファミリをはじめとするDSPやFPGA、ASICなどに直接接続できます。専用の同期ピンを使用することによって、マルチ・チャネルのシステムにおいて複数の『ADS1601』または『ADS1602』を使用して同時サンプリングが実現します。

消費電力は外付け抵抗によって設定でき、より低速で動作させる場合には低減できます。『ADS1601』と『ADS1602』は+5 Vのアナログ電源および+3 Vのデジタル電源で動作します。デジタルI/O電源の範囲は+2.7 V ~ +5.25 Vでありデジタル・インターフェイスは様々なロジック・ファミリに接続できます。すべての機能は専用のI/Oピンで制御可能です。

価格、パッケージ、供給について
『ADS1601』と『ADS1602』は7 mm(ミリメートル)角の48ピンTQFPパッケージで現在量産出荷中であり、TIおよびTIの販売特約店から供給されます。1,000個受注時の単価は『ADS1601』が1,960円、『ADS1602』が3,220円です。両製品の評価モジュールも供給中です。

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