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日本TI、ポータブルな高精度計測機器(産業/医療)向けに業界初のシグナル・チェーン・オン・チップ(SCoC)マイコンを発表

2005年04月13日

『MSP430F42x0』ファミリー:16ビットRISCマイコンに16ビット・デルタ・シグマ型ADコンバータ/12ビットDAコンバータ/コントラスト制御機能付LCDドライバを1チップ化

『MSP430F42x0』ファミリー:16ビットRISCマイコンに 16ビット・デルタ・シグマ型ADコンバータ/12ビットDAコンバータ/ コントラスト制御機能付LCDドライバを1チップ化 高精度な計測機器のさらなる小型化を実現

SCJPR-05-033 2005年4月13日

日本テキサス・インスツルメンツ株式会社(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は、高精度センサ/計測アプリケーション向けに業界初の低コスト、シグナル・チェーン・オン・チップ(SCoC)マイクロコントローラ(MCU)ソリューション、『MSP430F42x0』ファミリーを発表しました。『MSP430F42x0』は特長ある超低消費電力コアに高精度なADコンバータ(ADC)ならびDAコンバータ(DAC)を搭載、1チップ上でシグナル・チェーンを実現します。さらに最大32KBのフラッシュ・メモリとコントラスト制御機能を持ったLCDドライバにより、シングルチップのポータブル・マルチメータ、高度計、産業用重量計、サーモスタット/計器類、センサ計測アプリケーション等のシステムコストの削減と開発期間の短縮と機器の小型化を可能にします。『MSP430F42x0』に関する詳細は、www.ti.com/msp43042x0 (英文)から参照できます。

システムコストを削減するシグナル・チェーン・オン・チップ(SCoC)
『MSP430F42x0』(1万個受注時の価格は2.95ドルから)の優れた性能、電力効率、集積度の組み合わせは、これまで不可能だったシグナル・チェーン・オン・チップ(SCoC)の機能を実現します。内蔵16ビット・デルタ-シグマADコンバータは5つの差動入力チャンネルを備え、性能は最大 8KSPS(キロサンプル/秒)、S/N+歪比(SINAD)は84dB(Typ)です。これに加え、12ビットDAコンバータの1μs(マイクロ秒)というセトリング時間は、クローズド・ループ・コントロールを可能にし、今日のポータブル産業用/医療用アプリケーションが求める高水準な計測と精度を達成することができます。16ビットのADCは、プログラマブル利得アンプ、1.2Vリファレンス、入力バッファを備えるため、ほとんどのアプリケーションで外部信号の調整が不要です。すべてのペリフェラルが電力消費を最小限にとどめるオプションを備えます。

最大32KBのフラッシュメモリと1.8Vの入力電圧でもLCD表示可能なコントラスト制御機能(チャージポンプ内蔵)を持ったLCDドライバが集積されていることから、EEPROMと外付けLCDチャージポンプが不要となり、基板面積と部品点数が削減されます。

アプリケーションの強化につながる新たなマイコン
『MSP430F42x0』はより精度が高い計測機器の小型化を実現します。例えば、ポータブル高度計では、LCDディスプレイを含めたその機器の大きさを今までの1/4ほどにすることが可能です。これにより、他の機器の一機能として内蔵させることも可能となります。医療業界においては、『MSP430F42x0』の最適化されたペリフェラル群が高精度の計測を可能にし、血中コレステロール測定器などで従来よりも精度の高い臨床レベルの読み取りが実現します。

『MSP430F42x0』は、産業および医療アプリケーションでより精度をたもてるように設計されています。例えば、アクティブもしくは低電力モード時に湿気等の何らかの外部要因によって水晶発振が機能しない際、『MSP430F42x0』はそれを検知し、オンチップ・クロック・オシレータを再起動、その状況に対応するノンマスカブル・インタラプトを生成します。

高精度装置のバッテリ交換は電圧変動の原因となりますが、基準以下の低電圧状況時にゼロパワーBOR(ブラウンアウト・リセット)機能が『MSP430』をリセットするよう設計されており、機器の予期しない動作を防止します。

機能改善と超低消費電力アーキテクチャでさらにバッテリ寿命を延長
『MSP430F4270』では、フラッシュ・メモリへの内部書込ならびに消去と16ビットADCの動作が2.5V(最小)まで行えることにより、アルカリ電池によるシステム駆動時間を50%延長します。『MSP430』マイクロコントローラの特色である超低消費電力アーキテクチャは、リアルタイム・クロック待機電流が1.1 uA(マイクロアンペア Typ)。250uA/MIPSのアクティブモードでは設計者がそのアプリケーションに必要とする電力要求に見合ったシステム・クロックを実現します。最新の16ビットRICS CPUが可能にする高速な命令実行と、完全同期の高速システム・クロックによる待機モードからの6マイクロ秒以下での起動によって、電力消費はトータルで競合製品の10分の1となります。

開発サポート
『MSP430F42x0』の動作電圧は1.8Vから3.6Vで、既存の全『MSP430』デバイスと完全にソフトウェア互換です。フラッシュ・エミュレーション・ツール(FET)『MSP-FET430U48』(¥19,800税込)によって直ちに開発を開始できます。これには、USBベースの新たな JTAGインターフェース・ターゲット・ボードが含まれるほか、デバッガ、アセンブラ/リンカ、Cコンパイラ等の完全統合の開発環境によって構成され、リアルタイムのインシステム開発をサポートし、デバイスの組み込みエミュレーション・ロジック(プログラミング、フルスピード動作、ブレークポイント、クロック制御能力等)にアクセスします。

供給と価格について
フラッシュメモリの容量は、『MSP430F4270』が32KB、『MSP430F4260』が24KB、『MSP430F4250』が16KBです。 256 バイト RAM、32入出力チャンネル(I/O)は、3デバイスに共通です。『MSP430F42x0』のサンプル出荷は、本日開始されました。量産は2005年 5月です。価格は1万個受注時2.95ドルからとなります。TIの『MSP430』マイクロコントローラに関する詳細は、www.ti.com/msp430 (英文)ならびに www.tij.co.jp/msp430 (日本語)から参照できます。

『MSP430入門セミナー』
TIでは、MSP430製品の普及をめざして全国7ヶ所で5月に入門セミナーを開催いたします(全世界では100箇所以上で開催)。このセミナーでは、MSP430製品の特長、応用事例、開発方法などを解説いたします。(参加費は無料) インターネットによる事前登録制となっており、セミナーに関する詳細は以下のウェブから入手できます。www.tij.co.jp/430DAY

開催日程及び会場
5/11(水) 13:30~15:30 福岡会場
5/12(木) 13:30~15:30 大阪会場
5/13(金) 13:30~15:30 名古屋会場
5/17(火) 13:30~15:30 仙台会場
5/18(水) 13:30~15:30 立川会場
5/19(木) 13:30~15:30 横浜会場
5/24(火) 13:30~15:30 東京会場