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日本TI、最高性能のADC駆動向けに新世代の完全差動の高速アンプ製品を発表

2005年01月25日

~高速ADCの性能を活かす高速のセトリング時間とローノイズ特性を提供~

~高速ADCの性能を活かす高速のセトリング時間とローノイズ特性を提供~

SCJPR-05-007 2005年1月25日

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:K. バラ、略称:日本TI)は本日、業界で最も優れたノイズ特性および歪み特性を持ち、100 MHz(メガヘルツ)までの高速アナログ-デジタル・コンバータ (ADC) を駆動できる完全差動アンプ『THS4509』を発表しました。1.9 GHz(ギガヘルツ)の帯域幅を持つ『THS4509』は、従来の業界最高性能の完全差動アンプ製品の1/3のセトリング時間を持ち、試験・測定機器、医療用画像装置、ワイヤレス・インフラストラクチャ、工業用機器など、高性能を要求するアプリケーションに最適です。本件に関する詳細は www.ti.com/sc05006(英文)から参照できます。

『THS4509』はTI独自の高速BiCom-III(バイコム・スリー)コンプリメンタリ・バイポーラ・シリコン-ゲルマニウム (SiGe) プロセスを活用して製造されており、2.0 nV/√Hz(ナノボルト/√ヘルツ)と低い入力換算電圧ノイズ、70 MHz、200 Ω(オーム)負荷、2 Vp-p出力の条件において-80 dBc(ディービーシー)の第二高調波歪みおよび-87 dBcの第三高調波歪み、2 V(ボルト)の出力ステップに対して1%のセトリング時間が2 ns(ナノ秒)など他に例のない優れた特性を提供します。『THS4509』を使用してTIの14ビット、125 MSPS(百万サンプル/秒)のADCである『ADS5500』を70 MHzまでの入力周波数で駆動する場合、他に例のない性能レベルを実現できます。シングルトーン信号のスプリアス・フリー・ダイナミック・レンジ (SFDR) は81 dBc、周波数差5 MHzのツートーン信号のSFDRは89 dBc、信号-雑音比 (SNR) は70.1 dBFS(ディービー・フルスケール)です。

BiCom-IIIは相補型のNPNとPNPの両方のバイポーラ・トランジスタを集積可能な業界唯一のSiGeプロセスであり、高速、ローノイズ、低電圧、より広いダイナミック・レンジなど飛躍的な性能を併せ持つ高性能なアナログおよびミックスド・シグナル製品を実現できます。これらの製品によって設計者は複雑な補償回路を使用せずに低消費電流で最適な高速性能を実現できます。

TIのハイパフォーマンス・リニア部門担当でバイス・プレジデントのアート・ジョージ (Art George) は次のように述べています。「設計者が高速システムの潜在的な性能をフルに実現するためには、ADCと同様の性能特性を持つアンプが必要です。『THS4509』を使用することによって、顧客は最高の性能と使い安さを同時に享受できます」
『THS4509』のアーキテクチャは、ゲイン、出力のコモンモード電圧、出力インピーダンスの整合などの問題を相互に切り離すため、設計者はそれらの特性を別個に容易に設定できます。さらにシングルエンド入力を差動出力へ変換でき、直流結合のデータ・アクイジション・システムを実現します。これらの特長は優れたノイズ特性および歪み特性と相まって、設計者は設計プロセスを大幅に簡素化し、ソリューションの総合的なサイズを削減する一方、低レベル信号の正確な測定および高い信号忠実度を保証できます。さらに『THS4509』は、1.5 GHzの大信号帯域幅 (2Vp-p) 、1.9 GHzの小信号帯域幅 (<1Vp-p)、6,600 V/μs(ボルト/マイクロ秒)のスルーレート、0.65 mA(ミリアンペア)のパワーダウン・モード時消費電流などの特長も備えています。

『THS4509』は、新型の14ビット、105 MSPS ADCである『ADS5424』をはじめとするその他の高性能ADCの駆動にも最適です。『THS4509』は1.4 GHz電流帰還オペアンプである『OPA695』、3 GHz電圧帰還オペアンプ の『THS4304』をはじめとするTIの最先端の高速アンプ製品系列に加えられ、最新のデータ・コンバータ製品の最適性能の実現を可能にします。TIの高速アンプおよびADC製品は、RF、デジタル・ダウン・コンバータ、『TMS320C6000™』高性能DSP製品と共に、広帯域アプリケーション向けに真の最先端のシグナル・チェーンを供給します。

業界をリードするTIの高性能アナログ製造プロセス
TIは競争力のあるアナログ製品の供給のみならず、アナログおよびミックスド・シグナル製品向け半導体製造技術分野においても首位の開発会社です。デジタル論理回路の集積が必要なアプリケーション向けには、TIは成熟し低価格のCMOS ロジック・テクノロジを活用し、アナログ部分のサポートに最適化して使用しています。より特化したアナログ機能向けには、TIの製品開発チームはSiGeバイポーラ、シリコン・オン・インシュレータ (SOI)、CMOSプロセスなど様々なテクノロジを駆使して高い精度、動作速度、消費電力特性の実現に注力しています。

供給と価格、パッケージについて
現在、『THS4509』はサンプル出荷中で、日本TIおよび日本TIの販売特約店から供給されます。量産出荷は2005年第1四半期に予定されています。このデバイスは16ピンQFN (Quad Flat No-Lead) パッケージで供給され、1,000個受注時の単価は490円です。EVM(評価モジュール)も供給中です。

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