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抗体-薬物複合体PADCEV™(エンホルツマブ ベドチン) シスプラチン不適応の切除可能な筋層浸潤性膀胱がんを対象としたペムブロリズマブとの併用療法について 欧州CHMPが販売承認勧告を採択
2026年05月22日

- 手術単独と比較して再発、病勢進行または死亡のいずれかが起こるリスクを
60%減少させ、死亡のリスクを50%減少させたEV-303試験の結果に基づく肯定的見解 -

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Pfizer Inc.(本社:米国ニューヨーク州、以下、「Pfizer」)*と共同で開発を進めている抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate:ADC)であるPADCEV™(一般名:エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え))とMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)の抗PD-1抗体Keytruda®(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))の併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に不適応の切除可能な筋層浸潤性膀胱がん(Muscle Invasive Bladder Cancer:MIBC)患者を対象とした術前術後の補助療法として、欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)の欧州医薬品委員会(Committee for Medicinal Products for Human Use:CHMP)が、適応追加に関する販売承認勧告を採択したことをお知らせします。

 今回のCHMPによる勧告は、第III相EV-303試験(KEYNOTE-905試験)の結果に基づくものです。EV-303試験は、シスプラチンを用いた化学療法に不適応、またはシスプラチンを用いた化学療法を拒否したMIBC患者を対象に、術前術後の補助療法としてエンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブの併用療法(以下、「併用療法群」)と手術単独群を比較しました。無イベント生存期間の解析において、併用療法群は手術単独群と比較して、再発、病勢進行または死亡のいずれかが起こるリスクを60%減少させました(ハザード比[Hazard Ratio:HR]=0.40, 95%信頼区間[Confidence Interval:CI]:0.28-0.57; P<0.0001)1。また、全生存期間の解析において、死亡のリスクを50%減少させました(HR=0.50, 95% CI:0.33-0.74; P=0.0002)1

 EV-303試験における安全性は、既存のレジメン(治療計画)で知られているプロファイルと同様であり、新たな安全性シグナルは認められませんでした。併用療法群における最も一般的な有害事象(≥30%)は、掻痒(かゆみ)、脱毛、下痢、疲労、貧血でした1

 膀胱がんは欧州で5番目に多いがんであり、年間200,000人以上が罹患すると推定されています2。MIBCは、腫瘍が膀胱の筋層へ浸潤、または筋層を貫通して進展した膀胱がんの一種で、世界の膀胱がん症例全体の最大約30%を占めます3

 現在の標準治療はシスプラチンを用いた術前化学療法とそれに続く手術です。しかし、MIBC患者の約半数がシスプラチン不適応であり、全身療法を受けられない患者さんでは、手術後に疾患が再発するリスクが高いことが知られています4,5,6

 CHMPによる販売承認勧告に従い、欧州連合に加盟している全27ヵ国の他、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーで医薬品を承認する権限を持つ欧州委員会(European Commission:EC)が最終的な承認可否を判断する見込みです7

 エンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブの併用療法は、欧州において、局所進行性または転移性尿路上皮がん患者に対する一次治療の選択肢の一つです8。ECにより承認された場合、本併用療法の治療適用は、全身治療の選択肢が十分に確立されておらずアンメットニーズの高い、より早期の疾患ステージへと拡大されることになります。

 本件によるアステラス製薬の通期業績への影響は、通期(2027年3月期)連結業績予想に織り込み済みです。

以上

PADCEV™(エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え))について
エンホルツマブ ベドチンは、ほぼ全ての尿路上皮がん細胞に発現し、細胞間の接着に関連するタンパク質であるネクチン-4を標的とするファーストインクラスのADCです9。非臨床試験データから、エンホルツマブ ベドチンの抗腫瘍活性は、がん細胞上でエンホルツマブ ベドチンがネクチン-4に結合して標的細胞内に取り込まれると細胞障害性物質であるモノメチルアウリスタチンE(Monomethyl auristatin E:MMAE)が放出され、細胞増殖抑制(細胞周期停止)および細胞死(アポトーシス)が生じることによることが示唆されています9

エンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブまたはベラヒアルロニダーゼ アルファ-pmphの併用療法は、米国においてシスプラチン不適応の筋層浸潤性膀胱がんに対する術前術後の補助療法として承認されています。

本併用療法は、シスプラチン適応の有無に関わらず、局所進行性または転移性尿路上皮がん(locally advanced or metastatic urothelial cancer:la/mUC)に対する治療法として、米国、日本を含む世界各国で承認されています。欧州においては、白金製剤適応のla/mUC患者に対する治療法として承認されています。また、エンホルツマブ ベドチンは、PD-1/PD-L1阻害剤および白金製剤を含む化学療法による治療歴のあるla/mUC患者、またはシスプラチン不適応でこれまでに治療歴のあるla/mUC患者に対する単剤療法としても承認されています。

EV-303試験(KEYNOTE-905)について
現在進行中のEV-303試験は、シスプラチンを用いた化学療法に不適応のMIBC患者、またはシスプラチンを用いた化学療法を拒否したMIBC患者を対象に、術前術後の補助療法としてエンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブの併用療法またはペムブロリズマズ単剤療法と、手術単独群を比較評価する、非盲検無作為化3群間比較の第III相試験です。被験者は、ペムブロリズマブ群、手術単独群、併用療法群に無作為に割り付けられました。エンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブの併用療法は、手術前後に分けて実施され、エンホルツマブ ベドチンは計9サイクル、ペムブロリズマブは計17サイクル投与されました。

主要評価項目は、併用療法群と手術単独群を比較したEFSです。これは、次のいずれかのイベントの最初の発生までの時間として定義されます:膀胱全摘除術(Radical Cystectomy: RC)を妨げる病勢の進行、残存病変を有する患者がRCを受けられなかった場合、手術時の肉眼的残存病変、画像検査および/または生検によって評価された局所または遠隔の再発、原因を問わない死亡。主な副次評価項目は、併用療法群と手術単独群を比較したOSならびにpCR率、およびペムブロリズマブ群と手術単独群を比較したEFS、OS、pCR率です。

EV-303試験の詳細は、www.clinicaltrials.govを参照ください。

アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えることを目指すグローバルライフサイエンス企業です。私たちは、がんや、眼科・泌尿器疾患、免疫、ウィメンズヘルスなどの多様な領域において、革新的な治療法を提供しています。研究開発プログラムを通じて、アンメットメディカルニーズの高い疾患領域において新たなヘルスケアソリューションを開拓しています。
アステラス製薬の詳細については、www.astellas.comをご覧ください。

PfizerMSDとの提携について
Seagenおよびアステラス製薬は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)と、尿路上皮がんを対象としたPADCEV™(エンホルツマブ ベドチン)とKEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)の併用療法を評価するために、臨床開発の提携契約を締結しています。既にご案内した通り、2023年12月14日にPfizerはSeagenの買収を完了しました。KEYTRUDA®はMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの子会社であるMSDの登録商標です。

注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さまざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。

お問い合わせ先:
アステラス製薬株式会社
広報
TEL: 03-3244-3201

参考文献
1 Vulsteke C., et al. Perioperative enfortumab vedotin plus pembrolizumab in participants with muscle-invasive bladder cancer who are cisplatin-ineligible: phase 3 KEYNOTE-905 study. ESMO Congress 2025, Berlin, Germany; 17-21 Oct 2025. Abstract LBA2.
2 European Society of Urology. Bladder Cancer: The Forgotten Cancer. Available at: https://uroweb.org/news/bladder-cancer-the-forgotten-cancer. Date Accessed: April 2026
3 Bladder Cancer Awareness Network. What is Muscle Invasive Bladder Cancer? Available at: https://bcan.org/what-is-muscle-invasive-bladder-cancer/#:~:text=When%20tumors%20grow%20into%20or,Virginia%20Health%20System%20explain%20MIBC. Date Accessed: April 2026.
4 Funt SA, Rosenberg JE. Systemic, perioperative management of muscle-invasive bladder cancer and future horizons. Nat Rev Clin Oncol. 2017 Apr;14(4):221-234. doi: 10.1038/nrclinonc.2016.188.
5 Esteban-Villarrubia J, Torres-Jiménez J, Bueno-Bravo C, García-Mondaray R, Subiela JD, Gajate P. Current and Future Landscape of Perioperative Treatment for Muscle-Invasive Bladder Cancer. Cancers (Basel). 2023 Jan 17;15(3):566. doi: 10.3390/cancers15030566.
6 Squires P, Cook EE, Song Y, Wang C, Zhang A, Seshasayee SM, Rogiers A, Li H, Mamtani R. Treatment Patterns, Disease Recurrence, and Overall Survival in Patients with Muscle-Invasive Bladder Cancer after Radical Cystectomy: A Population-Level Claims-Based Analysis. Clinical Genitourinary Cancer. 2025
7 European Medicines Agency. Authorization of Medicines. Available at: https://www.ema.europa.eu/en/about-us/what-we-do/authorisation-medicines. Date Accessed: April 2026.
8 Masson-Lecomte, A. et al. EAU Guidelines on Upper Urinary Tract Urothelial Carcinoma. Available at: https://uroweb.org/guidelines/upper-urinary-tract-urothelial-cell-carcinoma. Date Accessed: April 2026.
9 Challita-Eid PM., et al. Enfortumab vedotin antibody-drug conjugate targeting nectin-4 is a highly potent therapeutic agent in multiple preclinical cancer models. Cancer Res 2016;76(10):3003-13.