
アステラスは、当社のビジネス、サイエンス、製品に関連する、迅速かつ正確な情報提供に努めています。このセクションでは、投資家や報道関係者向けにグローバルの情報を提供しています。各地域のニュースについてはローカルニュースセクションをご覧ください。投資家や報道関係者以外の方は、こちらをクリックしてください。
アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:岡村 直樹、以下「アステラス製薬」)は、閉経に伴う中等度から重度の血管運動神経症状(Vasomotor Symptoms、以下「VMS」)に対するファーストインクラスの治療剤であるVEOZAH™(一般名:fezolinetant)について、縦断的観察研究である第IV相OPTION-VMS試験の初めての実臨床における初期解析データを発表しました。fezolinetantは、閉経に伴うVMSによる困難や、主観的および客観的な睡眠の質、労働生産性を含む活動障害に関して、統計学的に有意な改善を示しました。VMSは顔のほてりやのぼせ、寝汗などの閉経に伴う一般的な症状です1,2。これらのデータは、10月21日~25日(現地時間)に米国フロリダ州オーランドで開催される2025年閉経学会年次総会(The 2025 Annual Meeting of The Menopause Society)のlater braker poster presentationで発表される予定です。
閉経に伴うVMSを有する40〜75歳の、非ホルモン療法を処方された900人以上の女性を対象とした試験の初期解析において、主要評価項目および複数の副次評価項目を達成しました。
治療に関連する有害事象の発生率は低く、これまでに報告した試験の結果および市販後データと同様であり、新たな安全性の懸念は確認されませんでした。安全性に関する初期解析データは2025年閉経学会年次総会で発表され、安全性に関する最終的なデータは最終解析後に判明する予定です。
PROMIS SD SF 8bおよびMENQOLの総スコアとドメインスコアについて、他の2つの治療群(SSRI/SNRI*およびその他の非ホルモン療法(gabapentin、oxybutynin))においても、統計学的に有意な改善が見られました。SSRI/SNRI投与群では、WASO、睡眠効率または睡眠潜時について、統計学的に有意な改善はみられませんでした。その他の非ホルモン療法群では、すべての時点でWASOについて統計学的に有意な改善がみられました。
さらに、活動障害、労働生産性の損失、プレゼンティズムを含むVMS特有の活動障害質問票(WPAI-VMS)を用いた初期解析においても、fezolinetant投与群は統計学的に有意な改善を示しました。SSRI/SNRI投与群およびその他の非ホルモン療法群においても、統計的に有意な改善がみられました。
働く女性の約3分の1が、閉経に伴うVMSに対処することに困難を抱えており、特に症状が重度の場合、疲労感からキャリアの変更や労働時間の短縮、さらには離職につながることがあり、これが女性個人、そして社会にとって大きな経済的負担をもたらす可能性があります3。
VEOZAH™は現在、オーストラリア、カナダ、欧州、メキシコ、シンガポール、スイス、米国など、世界45カ国で承認を取得しています。アステラス製薬は、非ホルモン療法という新たな治療選択肢を提供することで、閉経に伴う中等度から重度のVMSの治療に一層の貢献をしていきます。
以上
*SSRI/SNRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬/選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
第IV相OPTION-VMS試験について
OPTION-VMS試験(NCT06049797)は、進行中の縦断的観察研究であり、閉経に伴うVMS を有し、実臨床でVMS治療のために非ホルモン療法を処方された40〜75歳の女性を対象としています。この研究の主な目的は、女性のVMSに関する困難の変化を評価することであり、追加の評価項目には睡眠の質、閉経に伴う生活の質、性的健康、気分、労働生産性、安全性が含まれます。合計998人の女性が、米国の50の施設で登録されました。
VEOZAH™ (fezolinetant)について
VEOZAH™ (fezolinetant)は、閉経に伴う中等度から重度のVMS治療のための非ホルモンのニューロキニン3受容体拮抗薬です。VMSとは、顔や首、胸が熱くなる感覚や、突然の激しいほてり・のぼせ等(ホットフラッシュ)のことをいいます。VEOZAH™は、KNDy(キスペプチン/ニューロキニンB/ダイノルフィン)ニューロンに結合するニューロキニンB(NKB)をブロックして、脳の体温調節中枢(視床下部)のニューロン活動を緩和し、閉経に伴う中等度から重度のVMSの頻度と重症度を軽減します。4,5,6
アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えることを目指すグローバルライフサイエンス企業です。私たちは、がんや、眼科・泌尿器疾患、免疫、ウィメンズヘルスなどの多様な領域において、革新的な治療法を提供しています。研究開発プログラムを通じて、アンメットメディカルニーズの高い疾患領域において新たなヘルスケアソリューションを開拓しています。
アステラス製薬の詳細については、www.astellas.comをご覧ください。
注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さまざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。
お問い合わせ先:
アステラス製薬株式会社
広報
TEL: 03-3244-3201
参考文献
1 Utian WH. Psychosocial and socioeconomic burden of vasomotor symptoms in menopause: a comprehensive review. Health Qual Life Outcomes. 2005; 3:47.
2Jones RE, Lopez KH, eds. Human Reproductive Biology. 4th ed. Waltham, MA: Elsevier, 2014:120.
3 Whiteley, J., DiBonaventura, M. dC., Wagner, J-S., Alvir, J., & Shah, S. (2013). The impact of menopausal symptoms on quality of life, productivity, and economic outcomes. Journal of Women’s Health, 22(11), 983-990. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3820128
4 Hill K. The demography of menopause. Maturitas. 1996 Mar;23(2):113-27. doi: 10.1016/0378-5122(95)00968-x. PMID: 8735350.
5 Depypere H, Timmerman D, Donders G, et al. Treatment of menopausal vasomotor symptoms with fezolinetant, a neurokinin 3 receptor antagonist: a phase 2a trial. J Clin Endocrinol Metab. 2019;104:5893-5905.
6 Fraser GL, Lederman S, Waldbaum A, et al. A phase 2b, randomized, placebo-controlled, double-blind, dose-ranging study of the neurokinin 3 receptor antagonist fezolinetant for vasomotor symptoms associated with menopause. Menopause. 2020; 27:382-392.