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- GA面積のベースラインからの平均変化が
偽処置で予測されるGA面積拡大と比較して37-40.5%減少
アバシンカプタド ペゴルナトリウムによる早期治療により
より大きな網膜組織の保護効果を確認 -
- 投与後3.5年間で網膜血管炎や血管閉塞を伴う虚血性血管炎の症例は確認されず -
- 米国で1万人以上のGA患者を対象にした新たな実臨床データにより
低い投薬中止率および有害事象の発生率から
アバシンカプタド ペゴルナトリウムの良好な安全性と忍容性を確認 -
アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:岡村 直樹、以下「アステラス製薬」)は、米国フロリダ州オーランドで開催された米国眼科学会(AAO)年次総会において、GATHER2延長試験から得られた初めてのデータを発表しました。本データは、地図状萎縮(Geographic Atrophy:GA)を伴う加齢黄斑変性(Age-related Macular Degeneration:AMD)患者を対象として、IZERVAYTM(一般名:アバシンカプタド ペゴルナトリウム、以下「ACP」)硝子体内注射液を毎月1回投与した群において、GAの進行速度の抑制効果が投与後3.5年間にわたり継続し、早期治療によるより大きな網膜組織の保護効果を確認しました。また、ACPは良好な忍容性を示し、網膜血管炎や血管閉塞を伴う虚血性血管炎の症例は見られませんでした。
18カ月にわたるGATHER2延長試験では、GATHER2試験を完了したGA患者が、ACPの毎月1回(Every Month:EM)投与、隔月1回(Every Other Month:EOM)投与、あるいは偽処置からACPのEM投与に割り付けられました。本試験結果の概要は以下の通りです。
また、上記とは別の実臨床研究に関する発表において、GA患者(n=10,181人、13,391の眼)におけるACPの治療パターンと安全性に関するデータを発表しました。本研究は米国眼科学会のIRIS®レジストリ(Intelligent Research in Sight)のデータに基づくものであり、米国FDAによる承認初年度にACPを投与された患者のデータが含まれています。本後ろ向き実臨床研究では、ACPに関する新たな安全性上の懸念は認められず、投与中止率も低いことが確認されました。これらの結果は、ACPの良好な安全性と忍容性を示すものです。主な実臨床研究データの概要は以下の通りです。
さらに、AAO 2025で発表したアステラスの別の研究では、ACPを投与したGAの眼におけるエリプソイドゾーン*(Ellipsoid Zone:EZ)の構造的健全性と低照度視覚機能障害(Low Luminance Deficit:LLD)を分析することにより、GAにおける眼の構造と機能の関係性を調査しました。このGATHER1およびGATHER2試験の18カ月のデータの事後解析は、EZの構造的健全性によって測定された光受容体の状態と、LLDによって捉えられた視覚機能との間に、構造と機能の関連があることを実証しました。ACPによる治療は、偽処置に対して18カ月間でEZにおける光受容体信号強度の喪失の進行を抑制し、特にベースラインのLLDが大きい眼すなわち、より重度の病態においてより強い薬効を示しました。このデータは、EZの構造的健全性とLLDの機能との間に、構造-機能の関連があることを示しており、これらがGAの進行や治療効果を評価するための有用なバイオマーカーとなる可能性を示しています。また、LLDが、最高矯正視力(Best-Corrected Visual Acuity:BCVA)よりも、GAにおける視覚機能をより的確に反映する指標である可能性も示唆されました。
*視細胞の中にある層で視細胞の健全性を示す指標とされる
IZERVAYTMについて
IZERVAYTMは、補体因子C5 阻害剤です。2023年8月にFDAから地図状萎縮(Geographic Atrophy:GA)を伴う加齢黄斑変性(Age-related Macular Degeneration:AMD)の治療剤として承認を取得し、2025年2月には添付文書の一部改訂に関する承認を取得し、12カ月間を超えるIZERVAYTMの投与が可能になりました。また、本年9月19日に、アイザベイTM(一般名:アバシンカプタド ペゴルナトリウム)硝子体内注射液20mg/mLについて、萎縮型AMDにおけるGAの進行抑制を効能・効果として、製造販売承認を日本で取得しました。
地図状萎縮(Geographic Atrophy:GA)について
加齢黄斑変性(AMD)は、高齢者における中等度から重度の中心視力低下の主な原因であり、患者さんの大
半は両目を侵されています。黄斑は網膜の中心部にあるわずかな領域で、中心視力をつかさどっています。
AMDが進行すると、黄斑部の網膜色素上皮細胞とその下部にある血管が失われ、網膜組織が著しく薄く
なったり、萎縮したりします。地図状萎縮(GA)を伴うAMDは、患者さんの視力を不可逆的に低下させます。
GATHER試験について
ACPは、無作為化二重遮蔽偽処置対照多施設共同試験であるGATHER1試験およびGATHER2試験において、主要評価項目を達成しました。両試験では、GAを伴うAMD患者を対象に、ACPを毎月2 mgずつ硝子体内投与した場合の安全性と有効性を評価しました。両試験とも、最初の12カ月間は、毎月1回ACP 2 mgを投与される群と偽処置対照群に無作為に割り付けられました。GATHER1試験には286人、GATHER2試験には448人が組み入れられました。両試験の主要評価項目は、ベースライン、6カ月目、12カ月目の3時点における眼底自発蛍光法で測定されたGA面積に基づくものでした。GATHER試験では、700人以上のGA患者を対象に安全性が評価されました。
GATHER2試験において、投与後12 カ月以降、ACP 投与群は毎月1 回ACP を投与される群(n=96)と2 カ月に1 回ACP を投与される群に再割り付けされました(n=93)。偽処置対照群は2 年目も偽処置を受け続けました(n=203)。
アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えることを目指すグローバルライフサイエンス企業です。私たちは、がんや、眼科・泌尿器疾患、免疫、ウィメンズヘルスなどの多様な領域において、革新的な治療法を提供しています。研究開発プログラムを通じて、アンメットメディカルニーズの高い疾患領域において新たなヘルスケアソリューションを開拓しています。
アステラス製薬の詳細については、www.astellas.comをご覧ください。
注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さまざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。
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アステラス製薬株式会社
広報
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