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アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:岡村 直樹、以下「アステラス製薬」)は本日、アイザベイTM(一般名:アバシンカプタド ペゴルナトリウム(以下「ACP」))硝子体内注射液20mg/mLについて、萎縮型加齢黄斑変性(Atrophic Age-related Macular Degeneration:萎縮型AMD)における地図状萎縮(Geographic Atrophy:GA)の進行抑制を効能・効果として、製造販売承認を日本で取得しました。重篤かつアンメットメディカルニーズが高く、患者数が少ない疾患等を対象とする「医薬品の条件付き承認制度」のもと、アイザベイTMは製造販売承認申請から7カ月で承認を取得し、上記適応症において日本でファーストインクラスの治療薬となります。
GAは、萎縮型AMDの一病態であり、不可逆的な視力低下を引き起こす可能性があります1。日本では、約10万人が罹患していると推定されており2,3、適切なタイミングで治療を受けない場合、患者の66%が失明または重度の視覚障害に至る可能性があるとされています4,5。GAを伴う萎縮型AMDは、患者の日常生活や精神的健康に重大な影響を与える疾患です。補体因子C5阻害剤であるアイザベイTMは、網膜細胞の変性を引き起こす補体系の活性を低下させることによりGAの進行を遅らせ、視覚障害を抑制することが期待できます6,7 。
ACPは、GAを伴う萎縮型AMD患者を対象にACPの安全性と有効性を評価した臨床試験(GATHER1、2試験)において、偽処置対照群と比較して、ACP投与群ではGAの進行速度を統計学的に有意に抑制し、主要評価項目を達成しました8,9。ACPの投与後1年間のGA進行の平均速度は、GATHER1試験で35%、GATHER2試験で18%減少しました6。また、ACPによるGA治療効果は投与後6カ月から観察され、GAの進行速度の抑制効果は、2年間にわたって持続することが確認されました8,9,10。本試験のデータは、ACPが良好な安全性プロファイルを有することを示しており、副作用により治療を中止した被験者は2%未満でした8,9。
アステラス製薬は、アイザベイTMを一日も早く患者さんに提供し、アンメットメディカルニーズの高いGAを伴う萎縮型AMDの治療に貢献していきます。
本件によるアステラス製薬の業績への影響は、通期(2026年3月期)連結業績予想に織り込み済みです。
以上
製品情報
| 製品名 | アイザベイTM硝子体内注射液20mg/mL |
| 一般名 | アバシンカプタド ペゴルナトリウム |
| 効能・効果 | 萎縮型加齢黄斑変性における地図状萎縮の進行抑制 |
| 承認取得日 | 2025年9月19日 |
アイザベイTM(アバシンカプタド ペゴルナトリウム(ACP))について
アイザベイTMは、補体因子C5阻害剤です7。補体系の過剰な活性化とC5タンパク質は、地図状萎縮(GA)を伴う加齢黄斑変性(AMD)の発症や悪化、視力低下に重要な影響を及ぼすと考えられています7。ACPは、C5タンパク質を標的とすることによって、網膜細胞の変性を引き起こす補体系の活性を低下させ、GAの進行を遅らせると考えられています7。
地図状萎縮(Geographic Atrophy:GA)について
GAは加齢黄斑変性(AMD)の進行期に発症し、患者さんの視力を不可逆的に低下させます。黄斑は網膜の中心部にあるわずかな領域で、中心視力をつかさどっています。AMDが進行しGAが発症すると、黄斑部の網膜色素上皮細胞とその下部にある血管が失われ、網膜組織が著しく薄くなったり、萎縮したりします4,7,11。 GAは主に50歳以上の人に発症し、世界中で失明の主な原因となっています9。日本では、約10万人が罹患していると推定されており、これまでに承認された治療法はありませんでした2,3。
GATHER試験について
ACPは、無作為化二重遮蔽偽処置対照多施設共同試験であるGATHER1試験およびGATHER2試験において、主要評価項目を達成しました。両試験では、GAを伴うAMD患者を対象に、ACPを毎月2 mgずつ硝子体内投与した場合の安全性と有効性を評価しました。両試験とも、最初の12カ月間は、毎月1回ACP 2 mgを投与される群と偽処置対照群に無作為に割り付けられました。GATHER1試験には286人、GATHER2試験には448人が組み入れられました。両試験の主要評価項目は、ベースライン、6カ月目、12カ月目の3時点における眼底自発蛍光法で測定されたGA面積に基づくものでした。GATHER試験では、700人以上のGA患者を対象に安全性が評価されました。
アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えることを目指すグローバルライフサイエンス企業です。私たちは、がんや、眼科・泌尿器疾患、免疫、ウィメンズヘルスなどの多様な領域において、革新的な治療法を提供しています。研究開発プログラムを通じて、アンメットメディカルニーズの高い疾患領域において新たなヘルスケアソリューションを開拓しています。
アステラス製薬の詳細については、www.astellas.comをご覧ください。
注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さまざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。
参考文献