
                                    アステラスは、当社のビジネス、サイエンス、製品に関連する、迅速かつ正確な情報提供に努めています。このセクションでは、投資家や報道関係者向けにグローバルの情報を提供しています。各地域のニュースについてはローカルニュースセクションをご覧ください。投資家や報道関係者以外の方は、こちらをクリックしてください。
アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:岡村 直樹、以下「アステラス製薬」)は、経口アンドロゲン受容体阻害剤であるXTANDI®(一般名:エンザルタミド)について、中国国家薬品監督管理局(National Medical Products Administration:NMPA)の医薬品評価センター(Center for Drug Evaluation:CDE)が転移性ホルモン感受性前立腺がん(metastatic Hormone-Sensitive Prostate Cancer:mHSPC)の適応追加に関して承認したことを、お知らせします。
本承認取得は、グローバルで実施した第III相ARCHES試験、およびChina ARCHES試験の結果に基づいています。China ARCHES試験はグローバルで実施したARCHES試験のブリッジング試験であり、代替エンドポイントとして前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen:PSA)増悪までの時間を使用しました。China ARCHES試験では、中国本土のmHSPCの患者180人が登録され、エンザルタミド+アンドロゲン除去療法(ADT)群(エンザルタミド群)、プラセボ+ADT群(プラセボ群)のいずれかに無作為に割り付けられました。主要評価項目においてエンザルタミド群は、プラセボ群と比較して、PSA増悪のリスクを87%低減し、統計学的に有意な改善が認められました(ハザード比=0.130、[95%信頼区間:0.076,0.222]、p<0.0001)。また、副次的評価項目も達成し、画像診断による無増悪生存期間(radiographic Progression-Free Survival:rPFS)、去勢抵抗性を示すまでにかかる時間(Time To Castration Resistance:TTCR)、およびPSAが検出されない患者の割合の増加が認められました。この結果は、グローバルで実施した第III相ARCHESの結果と同様でした1。また、今回のChina ARCHES試験におけるエンザルタミドの安全性は、既知の安全性プロファイルと同様でした。これらの結果を踏まえた今回の追加適応は、より早期でのXTANDIの使用を支持しています1,2。
アステラス製薬は、新たな治療選択肢を患者さんに提供することで、アンメットメディカルニーズの高い前立腺がんの治療に一層の貢献をしていきます。
本件によるアステラス製薬の業績への影響は、通期(2025年3月期)連結業績予想に織り込み済みです。
より詳細な情報については、プレスリリース「前立腺がん治療剤XTANDI® 中国国家薬品監督管理局の医薬品評価センターが適応追加に関する承認申請を受理」(2023年9月開示)および「前立腺がん治療剤XTANDI® 第III相China ARCHES試験の主要評価項目を達成」(2023年3月開示)をご覧ください。
以上
転移性ホルモン感受性前立腺がん(metastatic Hormone-Sensitive Prostate Cancer:mHSPC)について
中国では、前立腺がんは男性の泌尿器に関連するがんの中で最も一般的です3。また、男性において世界で2番目に多いがんです4。前立腺がんは、前立腺以外の部位(リンパ節、骨、肺、肝臓など)に広がると転移性と見なされます5。テストステロンレベルを下げるための内科的または外科的治療に効果がみられる場合、ホルモン(または去勢)感受性であると見なされます6。ADTによるmHSPCの治療を開始した男性の生存期間の中央値は約3~4年です7。
China ARCHES試験について
China ARCHES試験(NCT04076059)は、多施設、二重盲検無作為化、プラセボ対照第III相試験で、中国本土の30カ所で転移性HSPCの中国人被験者180人が登録されました。被験者は、毎日エンザルタミド160 mgまたはプラセボを投与され、さらに黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニストまたはアンタゴニストを継続するか、または両側精巣摘除術の既往がある患者に無作為に割り付けられました。この試験の主要評価項目は、前立腺特異抗原(PSA)が増悪するまでの時間であり、PSAの増悪は最下点(ベースライン後に観察された最低PSA値またはベースライン値)から25%以上かつ絶対値として2 μg/L(2 ng/mL)以上の増加として定義し、少なくとも3週間以上の間隔で、連続した2回の測定値によって確認しています。副次評価項目には、画像診断による無増悪生存期間(rPFS)、最初の症候性骨関連事象(SSE)までの時間、去勢抵抗性までの時間、PSA反応(≧50%)、PSA反応(≧90%)、PSA検出不能率(ベースラインで検出可能なPSA(≧0.2 ng/mL)を有し、かつ試験治療中に検出不能(<0.2 ng/mL)となる患者の割合)、新しい抗悪性腫瘍療法の開始までの時間、客観的奏効率(ORR)などがあります。
XTANDI®(エンザルタミド)について
XTANDI®はアンドロゲン受容体阻害薬であり、転移性去勢感受性前立腺がん(metastatic Castration-Sensitive Prostate Cancer:mCSPC)、または転移性ホルモン感受性前立腺がん(metastatic Hormone-Sensitive Prostate Cancer:mHSPC)としても知られる)、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)、および非転移性去勢抵抗性前立腺がん(nmCRPC)のいずれか一つ以上の適応症に関して,米国、欧州、日本を含む90カ国以上で承認を取得しています。XTANDI®は進行性前立腺がんの標準治療として確立されており、これまでに100万人以上の患者に処方されています8。また、日本においても去勢抵抗性前立腺癌および遠隔転移を有する前立腺癌の治療薬として承認されています。
アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、世界70カ国以上で事業活動を展開している製薬企業です。最先端のバイオロジーやモダリティ/テクノロジーの組み合わせを駆使し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品の創出に取り組んでいます(Focus Areaアプローチ)。さらに、医療用医薬品(Rx)事業で培った強みをベースに、最先端の医療技術と異分野のパートナーの技術を融合した製品やサービス(Rx+®)の創出にも挑戦しています。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの「価値」に変えていきます。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。
注意事項
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さまざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。
参考文献