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R&Dミーティングハイライト -科学の進歩を患者さんの価値に変える-
2016年12月08日

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、2016年12月8日(木)13時より、証券アナリスト・機関投資家・報道機関向けにR&Dミーティングを開催します。

   アステラス製薬の代表取締役社長CEOの畑中 好彦は、R&Dミーティング開催に際し、次のように述べています。「製薬産業を取り巻く環境は変化し続けています。科学は日々進歩し、私たちにとって新たな機会を創出しています。他方、増大する医療費が医療財政上の課題となる中で、医薬品へのアクセスとイノベーションを両立するために製薬企業としても主体的な取り組みが求められています。当社は、このような環境変化の中、研究開発への継続的な投資を通じて革新的な医療ソリューションを創出し、世界中の患者さんへ届けることで、持続的な成長を目指していきます。当社は、変化する医療の最先端に立ち、イノベーションを患者さんの価値に変えていきます。」

  R&Dミーティングのハイライトは以下の通りです。

1.短期~中期の成長に貢献するプロジェクト(開発戦略)

 製品価値を最大化及び、効率的かつスピーディーな開発を推進するため、より優先度の高いプロジェクトに経営資源を集中していきます。

開発プロジェクトのアップデート

 がん領域においては、同領域のリーダーシップポジションの確立を目指し、各プロジェクトで開発を進めています。エンザルタミドに代表されるように、治療抵抗性を示す患者層や アンメットメディカルニーズの高い領域において、有効性と安全性を証明し、疾患の早期ステージあるいは他のがん種への適応拡大を図っています。

 また、アンメットメディカルニーズの高い急性骨髄性白血病を対象疾患として開発中の  ギルテリチニブ(ASP2215)について、第I/II相試験の結果を米国血液学会で発表しました。治療の流れを広範にカバーできるよう、現在進行中の第III相試験を含め、複数の試験を行っています。

ASP8273については、現在非小細胞肺がんの一次療法を対象疾患とした第III相試験を実施中です。

 尿路上皮がんを対象疾患としたenfortumab vedotin(ASG-22ME)は第I相試験の結果をもとに、今後の進め方を検討していきます。

 また、本年10月に買収契約を締結したGanymed Pharmaceuticals AGの化合物IMAB362(対象疾患:胃食道がん)についても、買収手続き完了後に当社のがん領域プロジェクトに加わります。

 その他の領域では、ロキサデュスタット(ASP1517)が慢性腎臓病(保存期及び透析期)に伴う貧血を対象疾患として第III相試験を実施中です。このほか、複数のプロジェクトが、後期開発段階にあります。

2.中期~長期の成長を支えるプロジェクト(研究戦略)

 「Best Science、Best Talent、Best Place」に基づくネットワーク型研究体制を通じて、新薬創出力を強化し、新たな機会へ挑戦しています。

生産性向上の取り組み

 研究開発の生産性の一層の向上を目的に2013年に研究体制の改革を行い、ネットワーク型研究体制のもと、オープンイノベーションを推進し、外部イノベーションの取り込みを積極的に進めています。また、研究段階から初期臨床段階までのプロジェクトについて、3種類のプロセスで管理するFASTEN(FAST-Ex-NEW-standard)という仕組みを構築しています。これらの取り組みにより、研究改革に着手して以降、試験を開始するテーマの数が大幅に増加したほか、研究開始から第I相試験終了までの開発期間の短縮や費用効率化等の成果が得られています。

研究組織基盤の強化

 イノベーションを創出する人材の育成・採用のために、以下のような人材システムを取り入れています。

・aiPaths(Astellas Research Multi-Career Paths):研究員の特性や能力を活かす複数のキャリアパスを提供することで、イノベーションを支える人材育成を行っています。

・人材採用システムDISC(Drug Discovery Innovator Selection Camp):5日間の合宿により、人材を選抜して採用します。多種多様な価値観を共有し、常に新しい価値を創造することができる力、及び、人材、専門性、経験、情報、人的ネットワーク等のあらゆるリソースを活用して課題を解決する力が求められます。

疾患領域別の取り組み

 アンメットメディカルニーズが高く、科学的に実行可能性が高い領域を選択し、研究を進めています。自社研究のみならず社外リソースを活用しながら、新しい技術やアプローチによるイノベーション創出に取り組んでいます。

・がん領域

 Potenza Therapeutics, Inc.(Potenza社)、The University of Texas MD Anderson Cancer Center(MD Anderson)等との提携を通じたネットワーク型研究体制から、腫瘍微小環境(TME)を制御する新規のがん免疫パイプラインの構築を目指します。Potenza社との研究プログラムでは、免疫チェックポイント分子と制御性T細胞を標的とした2つのプログラムでのIND[i]を2017年に予定しています。また、MD Andersonとは急性骨髄性白血病に対するT細胞受容体様ヒト化モノクローナル抗体h8F4の研究プログラムを進めており、 2017年中のINDを予定しています。

・筋疾患領域

 骨格筋機能異常改善アプローチに基づき、Cytokinetics, Inc.、Mitobridge, Inc.等との共同研究からのイノベーションを発掘、また、社内創薬エンジンの活用により、筋疾患治療薬を創製していきます。なお、Cytokinetics, Inc.との提携について、次世代速筋活性化薬であるCK-3672889は、早期の臨床試験入りを目指して研究中です。また、Mitobridge, Inc.との共同研究では、この度、開発候補品である遺伝子発現調節薬(MTB-1)を見出しました。MTB-1は2017年のINDを予定しています。

・免疫科学領域

 Immunomic Therapeutics, Inc.等のバイオ医薬品企業や東京大学等のアカデミアとの共同研究により、抗原特異的免疫制御を可能とする革新的な創薬プラットフォームを開発し、アレルギーや自己免疫疾患、感染症に対する安全性の高い根本的な治療を目指した研究開発を行っていきます。

再生医療への取り組み

 新たな治療手段としての再生医療が持つ可能性を追求するために、Astellas Institute for Regenerative Medicineが、臨床段階にあるRPE[ii]細胞プログラムの他、複数のプログラムを進めており、萎縮型加齢黄斑変性を対象とした第Ib/II相用量設定POC[iii]試験を、新たな細胞株と製剤で、2017年前半に開始する予定です。

 また、つくばに拠点を置く再生医療研究所が、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)、大阪大学等との共同研究を進めています。

 R&Dミーティングの詳細は、当社ホームページをご覧下さい。

以上


[i] IND:investigational new drug、治験許可申請

[ii] RPE:Retinal pigment epithelium、網膜色素上皮

[iii] POC:Proof of Concept(臨床での有効性確認)

 
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