アステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:畑中 好彦)は、米国メディベーション社と共同で開発・商業化を進めている経口アンドロゲン受容体阻害剤エンザルタミド(一般名、製品名:XTANDI/イクスタンジ)について、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者を対象とした第III相ENDEAR試験を開始する予定ですのでお知らせします。
乳がんは診断数の多いがんの一つであり、TNBCはホルモン受容体陽性乳がんと比較して、悪性度が高く、予後不良であることが知られています。ENDEAR試験では、パクリタキセルによる化学療法とエンザルタミドの併用療法、及びエンザルタミドの単剤療法を、プラセボとパクリタキセルとの併用と比較し、有効性と安全性を評価します。対象は新規のバイオマーカーである遺伝子発現プロファイル検査結果が陽性(以下、バイオマーカー陽性)の、局所進行又は転移性TNBCです。本試験は、メディベーション社が主導し、2016年第4四半期に患者の組み入れを開始する予定です。
アステラス製薬は本試験により、TNBC治療におけるエンザルタミドの使用可能性を評価していきます。本件については、米国において、現地時間6月2日に対外発表をしています。
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ENDEAR試験について
ENDEAR(A Phase III, Randomized, International Study Comparing the Efficacy and Safety of ENzalutamiDe in Combination With PaclitaxEl Chemotherapy or as Monotherapy Versus Placebo With Paclitaxel in Patients With Advanced, Diagnostic-Positive, Triple-Negative BReast Cancer)試験は国際共同無作為化第III相試験です。バイオマーカー陽性の進行性TNBC患者を対象としており、約780例を試験に組み入れる予定です。進行がんに対する薬剤治療をこれまでに受けていない、あるいは1種類の薬剤治療を受けている患者が対象となります。主要評価項目は無増悪生存期間であり、無作為化から最初に病勢の進行が確認されるまで、または死亡のうち、いずれかの事象が最初に起きるまでの期間と定義されています。本試験では、エンザルタミドの経口投与(1日に160 mg)を、パクリタキセルの静脈注射(90 mg/m2を週1回16週間、または医師の判断でそれ以上)との併用、または単剤療法で投与し、プラセボとパクリタキセルとの併用とを比較します。
