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2015年米国泌尿器科学会年次総会でソリフェナシンへのミラベグロン追加併用(第Ⅲb相)試験結果発表
2015年05月19日

アステラス製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、尿失禁を伴う過活動膀胱(OAB)1)患者を対象としたソリフェナシン2)へのミラベグロン3)追加併用に関する第III b相臨床試験(試験名:BESIDE)の結果を発表しましたのでお知らせします。この試験では、ソリフェナシン単独投与と比較した追加併用の優越性が確認され、有効性の主要評価項目が達成されています。この結果は、米国のニューオリンズで開催している2015年米国泌尿器科学会年次総会(AUA)のPlenary Sessionで、米国時間2015年5月17日に発表されました。

今回発表されたBESIDE試験の結果は以下です。

  • 追加併用群における24時間あたりの平均尿失禁回数の変化量は1.80回で、ソリフェナシン5 mg単独投与群の1.53回と比較し、統計学的に有意に約0.26回減少させました(p=0.001)。
  • 追加併用群における24時間あたりの平均排尿回数の変化量は1.59回で、ソリフェナシン5 mg単独投与群の1.14回と比較し、統計学的に有意に0.45回減少させました(p<0.001)。
  • 24時間あたりの排尿回数減少について、ソリフェナシン10 mg単独投与群と比較した際の追加併用群の非劣性と優越性を確認しました。また、1回あたりの排尿量の改善について、ソリフェナシン5 mgと10 mgの単独投与群と比較して追加併用群の優越性が確認されました。
  • 追加併用群における有害事象の発現率は35.9%、ソリフェナシン5 mgまたは10 mg単独投与群ではそれぞれ33.1%、39.4%でした。よくみられた有害事象(2%以上の患者で発現)は口渇、便秘、末梢浮腫でした。重篤な有害事象は追加併用群で1.8%、ソリフェナシン5 mgまたは10 mg単独投与群ではそれぞれ1.2%、2.1%発現しました。口渇の発現率はソリフェナシン10 mg単独投与群よりも低く(追加併用群5.9%に対し10 mg単独投与群9.5%)、ソリフェナシン5 mg単独投与群(5.6%)と同様でした。また、便秘の発現率は、追加併用群、ソリフェナシン10 mg単独投与群、5 mg単独投与群で、それぞれ4.6%、4.7%、3.0%でした。

 今回のBESIDE試験の結果は、ソリフェナシンとミラベグロンの併用療法がOABの症状を軽減することを示唆しており、尿失禁や頻尿などの症状に苦しむ患者さんに新たな治療選択肢となることを期待しています。

なお、米国において、現地時間5月17日に本件を対外発表しています。

BESIDE試験について

 第III b相BESIDE試験はソリフェナシン5 mgの4週投与で効果不十分であった尿失禁のあるOAB患者を対象にミラベグロンを追加併用した場合の12週後の有効性と安全性を確認する無作為化二重盲検比較試験です。試験に組み入れられた患者は、ソリフェナシン5 mgを単独で4週間投与されます。その後、効果不十分の患者はソリフェナシン5 mg、ソリフェナシン10 mg、ソリフェナシン5 mgとミラベグロン50 mg(初めの4週は25 mg)の併用のいずれかに割り付けられます。全体で2,174名の患者のうち、追加併用群に727名、ソリフェナシン5 mg単独投与群に728名、ソリフェナシン10 mg単独投与群に719名が割り付けられました。有効性の主要評価項目は24時間あたり尿失禁回数のベースラインから投与終了時までの変化量です。主な有効性の副次評価項目として、24時間あたり排尿回数のベースラインから投与終了時までの変化量があります。

 全ての投与群において良好な忍容性が確認され、追加併用群における有害事象のプロファイルは、これまでに得られているソリフェナシンとミラベグロンのプロファイルと同様でした。新たな有害事象はみとめられませんでした。バイタルサインにおいても、追加併用群で単剤にない追加の作用や相乗作用はみられませんでした。

1)  OABOveractive Bladderの略。 尿意切迫感を必須症状とし、頻尿、夜間頻尿、切迫性尿失禁などの症状を伴う機能障害です。これらの症状は患者さんの日常生活に大きな支障をきたし、煩わしさや精神的苦痛を与えるなど、QOLを低下させる要因となっています。

2) ソリフェナシンの製品名:ベシケア 

3)ミラベグロンの製品名:ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ

 
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