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2013年米国リウマチ学会議(ACR)にて抗TNF-α抗体「セルトリズマブ ペゴル(一般名)」の国内臨床試験における新たな追加解析結果を発表
2013年10月31日

アステラス製薬株式会社(本社:東京都中央区、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)とユーシービージャパン株式会社 (本社:東京都新宿区、社長:ジョエル・ピーターソン、以下「ユーシービージャパン」、また、ユーシービーグループを総称して以下「UCB」)は両社で共同開発・商業化を進める、PEG化*1抗TNF-α(腫瘍壊死因子α)抗体「セルトリズマブ ペゴル」(一般名、日本での製品名「シムジア®」欧米での製品名Cimzia®)の、主として高疾患活動性の日本人関節リウマチ患者を対象として実施した二重盲検比較試験(J-RAPID及びHIKARI試験)及びその後の継続投与試験について、二つの追加解析の結果を2013年10月25-30日に米国、サンディエゴで開催されました米国リウマチ学会議(ACR 2013)にて発表しましたのでお知らせいたします。

セルトリズマブ ペゴル(certolizumab pegol, CZP)の関節リウマチに対する有効性に関して、より厳密な治療目標である総合的な疾患寛解*2(臨床的寛解(DAS28(ESR)<2.6)、構造的寛解(年間mTSS増加量≦0.5)、及び機能的寛解(HAQ-DI≦0.5)のすべてが達成された状態)を指標に、2つの二重盲検比較試験(double-blind、DB)とそれぞれに引き続く継続投与試験(open-label extension、OLE)の追加解析を行いました。DBにおいて、24週時点で総合的な疾患寛解を達成した患者の割合はプラセボ群に比べてCZP群で顕著に高く、CZP投与群においてはOLE移行後52週時点で更に高い総合的な疾患寛解達成率を示しました。これは、メトトレキサート(MTX)あるいはMTX以外のDMARDsの併用、非併用に関わらずいずれの条件においても同様の結果でした。さらに、CZP治療開始12週時点で臨床的寛解や機能的寛解を達成した患者では、達成しなかった患者に比べて、OLE 52週時点で総合的な疾患寛解を達成する可能性が高いことが示されました。これらのことから、継続的なCZP治療により、併用療法の有無に関わらず、長期にわたり総合的な疾患寛解が得られることが示されました。

二つ目の追加解析として、CZPの有効性および安全性についてローディングドーズ投与*3(400 mgを初回、2週、4週に皮下投与)の有無で比較した探索的解析を行いました。ローディングドーズ投与群(DBにおいてローディングドーズ投与した後CZP 200 mgを投与した群)は非ローディングドーズ投与群(OLEでローディングドーズ投与なしでCZP 200 mgを投与した群)に比べて、ACR改善率およびDAS28疾患活動性における有効性が高く、また抗CZP抗体の出現率が低く、安全性は同等でした。これらの結果から、DBとOLEデータの比較という制約はあるものの、CZPの関節リウマチ治療で皮下投与される生物学的製剤としてはユニークな用法であるローディングドーズ投与の有用性が示唆されました。

シムジア®は、世界初のPEG化抗TNF-α抗体医薬品です。本剤は、関節リウマチなどの炎症性疾患の発症や悪化に関与するTNF-αに強い親和性を示し、TNF-αの作用を選択的に阻害します。本剤は、ヒト化抗体のFc部分を除いたFab’部分*4にPEGを結合させることで血中半減期が延長されるため、関節リウマチ治療において2週に1回あるいは月1回の皮下投与で効果を示します。本剤は、既に海外臨床試験においてMTX併用で、導入治療及びその後の維持治療において速やかに症状および徴候が改善し、その後も効果が維持されることが確認されています。また、関節の骨破壊の進行を抑制することも明らかにされています。シムジア®は、関節リウマチ患者さんが使いやすい形状に配慮したプレフィルドシリンジで、医師により適用が妥当と判断された場合には、自己投与も可能となっており、有効性、安全性に加え、患者さん自身による使用にも配慮した製剤で、関節リウマチ患者さんの症状改善、QOL及びアドヒアランス*5向上に重要な役割を果たすものと期待しています。

アステラス製薬とUCBは、2012年1月にシムジア®の日本における共同開発・商業化契約を締結しました。シムジア®については、同年12月にユーシービージャパンが日本において製造販売承認を取得し、2013年3月に発売されました。

*1: 抗体をポリエチレングリコール(PEG)で修飾すること
*2:  DAS28(ESR);関節リウマチの疾患活動性をスコア化した指標、mTSS;関節構造破壊の程度をスコア化した指標、HAQ-DI:関節リウマチ患者の身体機能障害をスコア化した指標
*3: 速やかな治療効果を得るため、治療初期の投与量をその後の維持用量よりも増量する投与方法(CZPの場合は、400 mgを初回、2週、4週に皮下投与)
*4: 抗体はY字に似た構造を持ち、上部のFab(抗原認識部位)と下部Fc(補体結合部位)に分かれている
*5: 患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること 

 
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