アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、日本において2010年10月に承認申請していた前立腺癌治療剤「ゴナックス®皮下注用」(開発コード:ASP3550、一般名:デガレリクス酢酸塩、以下「ゴナックス」)について、本日、前立腺癌の効能・効果で製造販売承認を取得しましたので、お知らせします。
ゴナックスは、皮下注射されるGnRH受容体アンタゴニストです。GnRHは脳の視床下部で産生されるホルモンであり、脳の下垂体に存在するGnRH受容体に結合することにより、男性ホルモンの一つであるテストステロンの産生に関わっています。テストステロンは男性機能維持のために必要なホルモンですが、前立腺がんにおいてはがん細胞の増殖を促進し、症状を進行させてしまいます。これに対してゴナックスは、GnRH受容体へのGnRHの結合を競争的に阻害することによってテストステロンの産生を低下させ、その結果、前立腺がんの増殖を抑制します。承認申請においては、国内で実施した第I相臨床試験および第II相臨床試験成績に加え、海外で実施された第III相臨床試験等の成績を利用して申請しました。国内で実施した第II相臨床試験および海外で実施された第III相臨床試験では、GnRH受容体アゴニストで認められるテストステロンサージ(血清テストステロンの一過性の上昇)を伴わず、投与3日目からの血清テストステロンの抑制・維持および安全性が確認されました。
海外においては、ゴナックスは既に59カ国で承認されています。
アステラス製薬は、2006年1月、スイスの医薬品会社であるフェリング社(英名:Ferring Pharmaceuticals、本社:サンプレ、Chairman: Frederik Paulsen)と、同社が創製したゴナックスの前立腺がん治療に関する日本での独占的開発・販売権を取得するライセンス契約を締結し、開発を手掛けてきました。今回の承認取得に伴い、アステラス製薬は10百万ユーロのマイルストンをフェリング社に支払いますが、当期(2013年3月期)業績予想に織り込み済みです。
アステラス製薬は、ゴナックスを日本市場に投入することにより、新たな選択肢を提供することで、前立腺がん治療に貢献ができるものと考えています。なお、発売時期、売上規模等は、わかり次第、お知らせいたします。
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